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中居正広さん問題 フジ第三者委の報告書を踏まえ、橋下弁護士が示した基本スタンス「相手方女性が意に反したと主張しただけで、ある人間が社会的に抹殺されてしまうような制裁を受ける世の中の風潮には、断固拒否の姿勢を貫くつもりです」

橋下徹氏 写真:鈴木幸一郎/アフロ

7500字の“回答文”のまとめ部分、「性暴力が社会からなくなるための努力をすることには大いに賛同するところではあります」としながらも――。

 元SMPのメンバーで芸能界からの引退を発表している中居正広さんを巡り、週刊誌からの質問状に対する回答全文を、元大阪府知事である弁護士の橋下徹氏が5月22日にエックス(@hashimoto_lo)で公開し、大きな反響を呼んでいる。

 フジ・メディア・ホールディングスの依頼を受けた第三者委員会の発表は、中居さんへの人権の配慮を欠き、同委員会がそのように個人を社会的に抹殺してしまうほどの権利は有していないはずだと主張している。

 約7500字という長文だが、とても論理的かつ、主義・主張は一貫している。その最後に橋下氏は、「僕が把握している事実を基にすれば、僕個人としては、中居氏のトラブルは男女の気持ちの行き違いの事案であり、そのことで相手方女性は大変傷ついたのだと思います」として、次のようにまとめている。

「中居氏の立場を考えれば反省すべき事案であり、中居氏自身もそのことは大変申し訳なく思い、自らの社会的立場を考慮して示談を進め、その後のメディアの報道状況から『お詫び』なる文書を発表し、芸能界を引退しました。確かに相手方女性が意に反したと主張しているので、その内心自体を否定することはできませんが、相手方女性が意に反したと言ったことだけでなく、トラブル内容の具体的事実を総合評価すると中居氏の行為は性暴力とは言えないというのが僕の法的見解です」

 一方、橋下氏は今回の発表の“基準”となった世界保健機関(WHO)(『性暴力』と認める範囲が、ハラスメントを含め広範囲に及んでいる)、さらに内閣府男女共同参画局、福岡県条例が定める指針について、「性暴力が社会からなくなるための努力をすることには大いに賛同するところではあります」としながらも、「相手方女性が意に反したと主張しただけで、ある人間が社会的に抹殺されてしまうような制裁を受ける世の中の風潮には、断固拒否の姿勢を貫くつもりです」と、自らのスタンスを説明している。

 そのように、この中居さんの事案のみならず、男女間のトラブルで同様の基準が(今回のように)裁判以外で持ち込まれたり、断罪されたりすることが、このまま一般化しかねないだけに、この状況に一石を投じている。

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 橋下氏はいち弁護士の見解であることも強調。「この僕の見解・評価はフジテレビ第三者委員会の見解・評価とは異なるでしょうが、見解・評価に違いがあることは仕方のないことだと思います。僕も第三者委員会も同じ一弁護士であり、その見解・評価には優劣がないこともまた厳然たる事実だと確信しております」と、第三者委が責任を持って評価を下したこと(その内容ではなく)には一定の理解は示している。