【サッカー日本代表】豪州戦で“誤審”、ボール当たった主審が勘違いか。本来は日本ボールで再開のはずだが…
オーストラリア代表戦に臨む日本代表のスターティングイレブン。写真:AP/アフロ
大事には至らず。主審の“お願い”も無視される。
[北中米W杯 アジア最終予選 第9戦] オーストラリア代表 – 日本代表/2025年6月5日20:10(現地19:10)/オプタス・スタジアム(パース / 豪州)
北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選(3次予選)第9戦、オーストラリア代表 – 日本代表(SAMURAI BLUE)戦は前半を終えて、スコアレスで折り返している。
すでにW杯出場権を獲得している日本は、欧州でのシーズンを終えた主力組のほとんどの招集が見送られた。さらにキャプテン遠藤航、『10番』を託された久保建英、守護神の鈴木彩艶はベンチスタートに。8人が最終予選初スタメンで、平河悠ら3人がフル代表デビューを果たすなど、フレッシュなメンバーでキックオフを迎えた。
試合の立ち上がりから日本がボール保持率で大きく上回り、ほぼ敵陣で試合を進める。この試合で勝つとW杯出場権を獲得できる可能性のあるオーストラリアだが、超現実的に意図的に深い位置で守り、セットプレーなどから得点を狙うという構図になっている。
そうしたなか、14分、珍しい“誤審”が起きた。
日本が敵陣に入ったあたりの左サイドで、鎌田の蹴ったボールがピッチ中央にいた主審の背中に当たり、それをFWの大橋祐紀が拾った。
ここでカタール出身のカシム・マタール・アルハトミ主審が笛を吹いて、“主審にボールが当たった事象”で一旦ストップ。ドロップキックでの再開を指示した。
2019-2020シーズンのIFAB(国際サッカー評議会)のルール改正以降、“主審を石と思え”という、主審がピッチ上ではいないものと考える解釈は変更された。
主審にボールが当たったあと、「得点機会につながる大きなチャンスになる」「直接ゴールに決まる」「保持していたチームが変わる」の3つのケースの場合、ドロップボールになり、最後に保持していたチームにボールがドロップされるとルールで定められたのだ。
今回、主審は「大きなチャンスにつながる」とみなしたか、あるいは「保持していたチームが変わった」と勘違いしたか。
ただ、このあと主審はオーストラリアにドロップボールを行った。それには日本の選手たちもなぜ!? と抗議し、戸惑いを隠せずにいた。そして主審は豪州の選手に、そのボールを日本側へ蹴り出すようにマナー的な“お願い”をした。
ところが、オーストラリアはそのまま自分たちのボールにしたまま試合を進めていった。
いずれにせよ、ルール上はボールを保持していたチームにボールがドロップされなければいけない。今回、日本ボール → 主審に当たる → 日本ボールで、オーストラリアには一度も渡っていない。
本来であれば主審は日本ボールで試合を再開させなければいけなかった。そこは明らかな誤審だった。
大事には至らず、試合はそのまま進められている。
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W杯アジア最終予選のC組のランキング最上位の2か国による、ヒリつく大一番になっていたはずだが――。すでに日本がW杯出場を決め、大幅にメンバーを変更して臨んでいることも少なからず影響しているのか……そんなところにもやや弛緩した空気が漂っている。