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【サッカー日本代表】あの「全勝宣言」はなんだったのか? 豪州に0-1初黒星。サウジ戦から強豪2試合 連続未勝利

オーストラリア戦、惜しいシュートを外してしまい息を吐く日本代表の久保建英。写真:AP/アフロ

「W杯優勝を目指す」のメッセージも説得力を欠いてしまいかねない。

[北中米W杯 アジア最終予選 第9戦] オーストラリア代表 1–0 日本代表/2025年6月5日20:10(現地19:10)/オプタス・スタジアム(パース / 豪州)

 北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選(3次予選)第9戦、サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)はオーストラリア代表に0-1で敗れ、今予選初黒星を喫した。

 すでにW杯の出場権を掴んでいる日本は大幅に先発メンバーを変更。8人が最終予選初先発で、平河悠、関根大輝、俵積田晃太の3人がデビューを果たした。初めて組むメンバーは試合開始からボール保持率で大きく上回るものの、ゴール前での連動性を欠いてしまう。

 後半途中から、久保建英、中村敬斗ら主力組が投入されて、勝ち越しのゴールを奪いに行く。そして久保が惜しいシュートを放ったが、結局これが唯一の惜しいチャンスに。

 しかし全体が間延びしてしまうと、90分、途中出場の瀬古歩夢がかわされてクロスを上げられると、関根大輝と平河悠のいたサイドが詰め切れず、アジズ・ベヒッチにシュートを決められてしまった。

 日本は0-1で敗れ、6勝2分1敗と今予選初黒星に。オーストラリア代表はこのあとサウジアラビア代表の結果によっては、W杯の出場権を獲得できる。

 3月シリーズのメンバー発表の記者会見で、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、W杯の組み分け抽選でポッド1を目指しFIFAランキングを一つでも上げるため、このあと全試合勝利を狙うと宣言していた。

 その挑戦はとても意義のあることと言えた。

 より上位国に勝たなければ、そのランキングポイントは得られない計算になっている。そのためサウジアラビア、オーストラリアとの対戦はとても重要だった。

 ところが言った矢先、サウジアラビア代表にスコアレスドロー、今回オーストラリア代表に0-1と敗れ、結局、今年に入りグループ内のFIFAランキング上位陣に勝てなかった。

 この6月シリーズ、欧州のシーズンを終えた主力選手について、特にケガをしていた選手たちの充電を優先させたことは良い判断だったと理解できる。

 ところが森保監督はグループ最強のライバル相手に、これまでと全く違う初めてのチームを組んで臨み、案の定、全く機能しなかった。豪州が完全撤退して守備を固めたのもあるが、チャンスを作れなかった。あまりに想定内である。

 また、森保一監督は所属クラブが不調にある選手でも、能力を評価して抜擢する傾向にある。ところが、そういった選手ほど結局チームに貢献できておらず、指揮官の選手選考の基準にも疑問が持たれた。

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 昨年はアジアカップでイランに敗れ、今年はサウジアラビア、オーストラリアに勝てなかった。あの山本NDの宣言は一体なんだったのか。これでは「W杯優勝を目指す」と言っても説得力を欠き、日本全体でその世界一へ本気で向かうという機運を作れなくなりかねない。