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J2降格圏脱出へ柏の大谷秀和が挙げた”今すべき”2つの課題

柏レイソルの大谷秀和。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

オルンガの高さと強さ、瀬川&江坂の機動力と技術を生かすイメージは共有できてきた。

[J1 29節] 広島 – 柏/2018年10月6日14:00/エディオンスタジアム広島

「勝点3を狙いながら、もう少し時間が経てば(勝点)1も考えた。その前に失点をしてしまった。ただ、前半から狙っていたショートカウンターにはしっかり持ち込めていて、あとはボールを持ったときのビルドアップを改善しなければとは感じました」

 柏レイソルのキャプテン大谷秀和は逆転負けを喫した9月30日の浦和レッズ戦(●2-3)のあと、ゲームプランは決して間違ってはいなかったと敗れたなかでもポジティブな要素と課題を見出していた。

「少し今までと違うやり方を変えたが、ビルドアップで特長を持っている選手たちが決して多いわけではない。詰まって、詰まって、となってしまう。ミカ(オルンガ)を生かそうとロングボールが増えてしまっている場面もあったので、そこは使い分け。中盤の裏で待っている瀬川や(江坂)任も生かしていければとは思いました」

 そのように鋭いショートカウンターを生かすためにも、ボールを保持したときの精度にもこだわりたいと言う。そのうえで、大谷は「ミスを減らしていくこと。奪ったあとのクオリティを上げること」という2点を具体的なまず取り組むべき課題に挙げた。

「単純なミスを減らすことが必要になってくる。勝っていない状況もあり、相手に少しでも攻め込まれると、必要以上にピンチだと思って、慌てて人(ボールホルダー)に行ってしまう。順位が順位なだけに仕方ないところもありますけど、しっかり相手と状況を見ながらのプレーが必要かなとは思います」

 チームと試合を俯瞰できる大谷らしい視点でもある。浦和戦では2-2のスコアになってからの駆け引きで、もう少し上手くできたのではないかと悔やんだ。

「(浦和の3バックのストッパーを務める)岩波くんが上がってきていたので、ミカと瀬川を生かして2対2の状況も作り出せた。ただ、逆に浦和にシュートまで終わせてしまった。押し込まれてもボールを奪える守備ができれば。ミカの特長を把握し、プレーできるようになってきているので、もう少しその数を増やしていきたいですね」

 柏はリーグ4試合勝ち星なし(1分3敗)でJ2自動降格圏の17位のまま。オルンガの高さと強さを引き出し、瀬川祐輔や江坂の機動力と技術を生かす――。チームとしての戦い方のイメージは共有できてきた。押し込まれたときに慌ててしまう……という恐怖心を払拭して思い切って前線へも繰り出すことができれば、6日にアウェーで迎える2位広島戦での勝利も、決して不可能ではないはずだ。

文:サカノワ編集グループ