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【夏の甲子園】広陵高校が公式サイトで経緯など説明「指摘された事項は確認できませんでした」

甲子園球場 写真:スポーツ報知/アフロ

野球部内の暴行を巡り、「インターネット上では調査結果とは異なる事実、憶測に基づく投稿や、関係しない生徒への誹謗中傷も一部見受けられます」。

 夏の甲子園(第107回全国高等学校野球選手権大会)に広島県代表として出場中の広陵学園 広陵高校は8月8日、同校公式サイトで、「本校硬式野球部をめぐるSNS上の事案について」(7日付け)とする現状の見解を公開した。

 野球部の部員が生活する寮内などでの暴行、監督の黙認疑惑を巡り警察にも相談する事案になっているとの情報が流布された。

 そうしたなか同校は、「本校硬式野球部の元部員が監督とコーチ、一部の部員から令和5年(2023年)に暴力や暴言を受けたとする情報が、SNS上で取り上げられています」として、次のように説明している。

「当該事案につきましては、令和6年3月に本校が元部員から被害の申告を受けたものです。指摘を受けた本校は、関係者から聴取を行い、事実関係の調査を実施しましたが、指摘された事項は確認できませんでした。

 また、元部員から、令和7年2月、一般財団法人広島県高等学校野球連盟(広島県 高野連)と公益財団法人日本高等学校野球連盟(日本高野連)に情報提供がありました。

 連絡を受けた本校は、さらに部員全員及び職員から聴取を行い、事実関係の調査を実施しましたが、指摘された事項は確認できませんでした。

 その後、元部員の保護者の方からの要望に応じ、本校は6月、文部科学省の定めるガイドラインに従って、本校及び関係者と利害関係のない調査委員のみで構成された第三者委員会を設置し、現在調査を進めていただいております。

 以上、ご報告申し上げます」

 そのように「指摘された事項は確認できませんでした」と強調している。

 また、前日には次のように、今回の件の経緯について公表していた。

――◇――◇――◇――◇

 平素は本校及び本校硬式野球部の活動に多大なるご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。

 この度、本校硬式野球部内において令和7年1月に生じました部員間の暴力を伴う不適切な行動につき、ご説明とご報告をいたします。

 本校は、加害生徒の申告により不適切な行動を把握した後、速やかに本校生徒指導部において、被害生徒並びに指摘を受けた部員全員及び職員から聴取を行い、事実関係の調査を行いました。

 その結果、硬式野球部の2年生部員(当時) 計4名が、1年生部員(当時) 1名に対して、それぞれが個別に被害生徒の部屋を訪れ、暴力を伴う不適切な行為をしたことが判明しました。

 本校は、調査の結果、令和7年2月14日までに関係者に対する指導及び再発防止策の策定をいたしました。また、本校は上記事態を重く受け止め、直ちに一般財団法人広島県高等学校野球連盟 (広島県高 野連)を通じて公益財団法人日本高等学校野球連盟(日本高野連) に報告しております。

 日本高野連 において、令和7年3月5日に行われた審議委員会により、本校硬式野球部に対して「日本高等学校 野球連盟会長名による厳重注意」、当該部員に対して事件判明日から1ヵ月以内に開催される公式戦 に出場はできないという指導がなされました。

 具体的な事案の内容については別紙のとおりです。

 さらにSNS上などで取り上げられている情報について関係者に事情を聴取した結果、新たな事実は確認できませんでした。

 被害を受けられた生徒ならびにその保護者の皆さまには、重ねて深くお詫びを申し上げます。また、関係各位におかれましては、ご迷惑とご心配をおかけする事態となりましたことを、お詫び申し上げます。

 本校では、正課の活動のみならず部活動などの課外活動においても、いかなる暴力も認めない方針を掲げております。しかしながら、今回、硬式野球部において暴力を含む不適切な行動があったことは極めて遺憾であります。

 全校を挙げて、再発防止に注力してまいります。

 なお、このたびの事態につきましては、被害生徒及び加害生徒の保護の観点から公表を差し控えてまいりました。インターネット上では調査結果とは異なる事実、憶測に基づく投稿や、関係しない生徒への誹謗中傷も一部見受けられますが、本書に記載した内容を超えての具体的なご説明は差し控え、今後も生徒ならびに関係者の個人情報に及ぶ詳細の公表は控えさせていただきます。

 本校は、生徒たちがその能力を発揮し、夢や目標に向かって成長してくれることを心から願い、支えていく所存です。関係するみなさまにおかれましては、ご理解・ご配慮のうえ、冷静なご対応をよろしくお願いいたします。

1 本校が把握している事案の概要
(1) 事案発生日時。場所 令和7年1月22日(火) 広陵高等学校 寄宿舎(清風寮)

(2) 関係者 被害生徒 A 加害生徒 B、C、D、E 以上4

(3) 事実 B~Eのそれぞれが個別に被害生徒の部屋を訪れ、Bが胸を叩く、Cが頬を叩くという暴行をした。また、Dが腹部を押す行為をしたほか、Eが廊下で被害生徒の胸ぐらをつかむ行為をした。

 さらに保護者から、不適切な行為をした生徒としてF、Gの名前が挙がったため聴取したが、不適切な行為は確認できなかった。

 後日、加害生徒4名が被害生徒に謝罪した。なお、被害生徒は3月末で転校した。本校は事案の把握当日に広島県高野連に一報した。また、令和7年2月14日、本校から広島県高野連に対して今回の事案について報告書を提出した。

 被害生徒の保護者から「学校が確認した事実関係に誤りがある」との指摘があり、改めて部員に事実確認をしたが、新しい事実はなかった。