【インタビュー】望月重良(SC相模原代表)「クラブ誕生10年、情熱の旅路 #3」
SC相模原が「新たな10年」に突入。望月代表は「J1昇格」を悲願に掲げる。(C)SAKANOWA
難病との闘いも原動力のひとつに。次の10年は――
SC相模原が2008年2月の発足からちょうど10年が経つ。神奈川県3部リーグを出発し、今季J3で5年目のシーズンに突入。このクラブを牽引してきたのが、元日本代表選手からクラブの「社長」、「代表」になった望月重良氏である。これまでの10年間を振り返り、これから先の10年を見つめるインタビューの最終回。「当時と情熱は変わらない」という『熱』の源に迫り、「次の10年の目標」を語ってもらった。
――法律や相模原市の事業計画などにも精通し、「クラブ代表」「社長」として板についてきた感じですね?
いや、全然(笑)。僕はずっとサッカーしかやってきませんでした。それに経営者やクラブのオーナーになりたいと思っていたわけではなく、職業を選択としたと言うより、自分の生き方として、たまたまそういう立場になったということです。相模原にチームを作ることに、まず興味を持って、やりがいを感じて、それが社長だった、代表だった。就職活動のように、何々になりたい、というところと出発点も違っているわけです。
――なるほど。ベースには、サッカーへの情熱があると。
そうです。職業を選んだというより、自分の生き方として、情熱の向かうままに歩んできました。
――その情熱の源には、望月代表ご自身が闘病していることも関係していたのでしょうか(国の難病に指定される特発性大腿骨頭壊死症で、リハビリを続けながら現役最後はプレーしていた)。
正直、その点はチーム立ち上げのときの原動力になりました。僕はドクターストップがかかってサッカー選手としてのキャリアを終えざるを得ませんでした。その後、自分の本を出版する機会をもらい(『もう1回蹴りたかった』/ぴあ出版)、全国からたくさんの感想の手紙をいただきました。
それは励みになりました。僕は健常者ではないので、ある部分ではハンディキャップを背負っています。そういった立場だと、どうしてもネガティブな考えに陥ることもあります。でも、いや、そんなネガティブなことばかりではないんだという思いが、チーム立ち上げの強い力となったのは確かです。
――負けん気は現役時代と変わりませんね。
あとはやり遂げようという信念です。それは2008年に立ち上げたときも、今も変わっていません。この先もきっと続いていきます。
――2017年のホーム最終戦(G大阪U-23戦)には多くの方が来場しました。相模原にサッカーは根付いてきていますね。
県3部リーグでは土の固いグラウンドでプレーしていました。あれから10年後、このような光景が広がっているとは正直想像していませんでした。でも1年、1年、負けてはチャレンジして、そうしながら一人ひとりと歩んできました。5000人近くの方が来てくれたこの光景。まさに10年の成長の証だと思います。
次の10年、このクラブはJ1にいるという夢を抱いています。そこに向けて、地域の皆さんと歩んでいきたいと思います。
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(以上、このインタビュー連載終了。全編まとめた完全版を1月10日更新予定)