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内田篤人が上海申花戦のあと、チームメイトに伝えたメッセージ。さっそく確信した「この方向性で絶対に間違っていない」

内田のサッカー人生が確かに動き始めた。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

今だからこそ、内田しか持っていない”視点”から。

[ACL GS1節] 鹿島 1-1 上海申花/2018年2月14日/カシマ

「別になにかを変える必要はない。『胸を張っていいよ』って、みんなに言ったから」

 内田篤人はアジアチャンピオンズリーグ1節の上海申花戦のあと、勝ち切れずに悔やんでいたチームメイトにそう声を掛けたそうだ。

「誰が悪いわけでもない。攻めて攻めて……めちゃめちゃいいサッカーをしていても点を取れない日なんて、サッカーではよくある。でも絶対に間違っていない、このやり方は。紅白戦をやっていても、めちゃめちゃうまいから。俺らとても質の高いボール回しをしている。だから自信を持っていい。やっていることは絶対に間違っていない」

 7年半ぶりの鹿島復帰とはいえ、当時から大幅にメンバーは入れ替わっている「新加入」と言える立場。だからこそ、今、客観的な立場からもチームを見つめられる。内田しか持っていない”視点”。クラブからそういった経験を生かした役割を求められていることも分かっている。内田は「まだ1試合にすぎないよ」と言いつつも、チームが模索をしながらもしっかり進路を見失わずしっかり進んでいると確信。「絶対に間違っていない。このままで大丈夫」と、何度も繰り返し強調した。

 さすが鹿島であり、プロ集団だと感心させられた。2月3日の水戸とのプレシーズンマッチでは様々な課題が持ち上がり、「ACLまで、あと10日しかありませんが……」というチームの完成度の低さを不安視する記者会見での質問に、大岩剛監督は「間に合わせますよ」と笑って答えていた。

 そして2月14日のピッチに立ったのは、この試合にしっかりと照準を合わせてコンディションを整えてきた11人だった。それを実証するように、ボールポゼッション率は70パーセントを超え(70.2パーセント)、試合の主導権を握り続けた。レオ・シルバが89分に完全にフリーで抜け出しながら、決定的なシュートをふかしてしまうなど詰め切れず。勝点3を掴むためのあと1点が遠かった。

 内田はそれでも勝点1をポジティブに捉えていた。

「今日の内容からいえば、もちろん勝点3をほしかった。けれど……」