【浦和】無得点続く武藤雄樹の”あと少し”。最近2戦全ゴールに絡む
北京国安との大一番で1得点2アシスト。浦和の武藤雄樹に、J&ルヴァンでの待望の一撃が生まれるか!写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
9番の一撃なしに、興梠も「チームが乗っていけない」。
[ルヴァン杯 準々決勝 2nd] 鹿島 – 浦和/2019年9月8日18:30/カシマサッカースタジアム
浦和レッズの武藤雄樹が、これまでJリーグとルヴァンカップで出場した計20試合でノーゴール(3アシスト)と苦しんでいる。ただ、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)では7試合2ゴール(2アシスト)を記録。しかもグループステージのブリーラム・ユナイテッドとのアウェー戦での決勝点(〇2-1)、さらに決勝トーナメント進出を懸けた最終節の北京国安戦での1得点2アシスト(〇3-0)と、いずれもインパクトを残す活躍を見せていた。
それだけに、Jリーグ無得点は、言われてみれば確かに、といえる感じではあった。
しかし、オズワルド・オリヴェイラ前監督から大槻毅監督への交代を経て、夏場を過ぎ、ここ最近の下降気味なチームの成績により、ナンバー9の「0ゴール」は確かに目立ち、物足りなくも映る。そして、そこにチームの不調の様々な要因をも見出すことができそうである。
一方、9月1日の湘南ベルマーレ戦(△1-1)のあと、武藤は「間違いなく(ゴールは)近づいていると感じてはいます。ただ、結果がすべて」と語っていた。
湘南戦の開始3分の先制点は、武藤が自陣で起点のパスを放って、そこから駆け上がって推進力を生み出し、そのクロスに対し、ともに攻撃参加した興梠が合わせて決まったものだった。さらに前半終了間際には、持ち味の体躯の強さを生かしてDFをブロックし、決定的な左足のシュートまで持ち込んだ。
そして先のルヴァンカップの鹿島アントラーズとの準々決勝第1戦。武藤らしいクイックターンからのシュートがこぼれ球となって、途中出場の興梠の反撃の狼煙を上げる1点が決まった。さらに武藤のコーナーキックから槙野智章のゴールもお膳立てした。
つまり、最近2試合の浦和のすべてのゴールを演出しているのだ。しかし、いまだにJリーグとカップ戦では、自身の得点を記録できずにいる。
もちろん、そんな数字には見えない貢献度の高さもまた、浦和の9番の特長でもある。だから大事な試合では欠かさず起用されてきた。
それでも「武藤が点を決めないと、チームが乗っていかない」と興梠も言うように、あの9番の相手にダメージを与える泥臭いゴールがないのは、浦和がチームとしてのしぶとさが欠けていることの表れとも言える。
武藤は鹿島との第1戦のあと、次のように言った。
「前半で3点与えてしまうのは、あまりにも良くないゲーム運ぶでした。ただ何とか後半踏ん張って(2点を返して)、何とか次へとつなげられました。第2戦、意地を見せます」
ベスト4進出の条件は、2点差以上の勝利か、4点以上を奪っての1点差勝利。1-0、2-1ではアウェーゴール差で敗退が決まる。敵地での第2戦、難解だが不可能ではない条件と言える。武藤の推進力で鹿島の壁を打ち破り、上昇への道を進む突破口を見出したい。
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[取材・文:塚越 始]