【日本代表】大迫勇也が語った2シャドー『南野拓実&堂安律』『鎌田大地&久保建英』との関係性「能力の高い選手が揃っている」
カメルーン代表戦でフル出場した日本代表の大迫勇也。写真:日本サッカー協会/(C)JFA
ブレーメン州の措置により1試合限定出場。大迫がいる90分間に――森保監督、2つのシステムを試す。
[国際親善試合] 日本 0–0 カメルーン/2020年10月9日/オランダ・ユトレヒト
日本代表のFW大迫勇也が10月9日のカメルーン代表戦、公式戦では今年6月20日の1.FSVマインツ05戦以来、新シーズンに突入後では初となるフル出場を果たした。約1年ぶりのA代表の活動では、4-2-3-1と3-4-2-1のシステムの頂点である「1」に入り、体を張って走り続けチームをけん引した。
日本の背番号「15」はカメルーンの最終ラインにプレッシャーを与え続け、ビルドアップの自由を与えない。チームとしてのコンセプトとして狙っていたように、最前線からのプレッシングを怠らず、機先を制し勢いを与えなかった。
とはいえ、ゴールが欲しかったのは事実。伊東純也のクロスから決定的なヘディングシュートのチャンスが訪れたが……枠を捉え切れず天を仰いだ。ただ大迫はその悔しさを吐露しつつ、「さらに良くなっていく」と好感触を掴んでいた。
「これから先、さらに良くなると思います。前半はボールを追うことに力を使ってしまった印象で、追う時間が長くなりましたが、それはチームにとって欠かせないことでもあります。後半は(ゴールを)決められるチャンスもあっただけに、あそこで集中しながらゴール前へ入ってくる駆け引きで勝つところを、もっと意識したいと思います」
4-2-3-1と3-4-2-1。森保一監督は大迫がいる90分の間に、2つのシステムを使っておきたかったという意図もうかがえた。日本代表のセンターフォワードは「後半に修正できたのはプラス。いい感じで攻撃にもつなげられましたし、得点を取り切るところ、しっかり決め切るところはブレずに求めていきたいです」と課題を挙げていた。
また、システム変更後の2シャドーは、南野拓実&堂安律、鎌田大地&久保建英が担った。彼らとの組み合わせについて、大迫は「能力の高い選手が揃っているので、僕はしっかり相手のラインを引き下げることを意識し、トップ下(シャドー)の二人がボールを受けられることを考えていました」と振り返った。
大迫がプレーするヴェルダー・ブレーメンのあるドイツ・ブレーメン州は、新型コロナウイルスの感染が拡大している地域から戻った人に対し、5日間の自宅待機を義務付ける措置を発令している。ユトレヒトが先週末にその地域に指定されたため、大迫はこの試合のみ参戦してドイツに戻り、来週末のリーグ戦に備えることになった。
昨季末に大活躍をしてチームを1部残留に導いたブレーメンの「8番」は、確かな“何か”をオランダで掴み一足先に所属先へ戻る。
「1年以上空いたなかでの(日本代表の)ゲームで最初は距離感など問題はありましたが、時間が経つごとに良くなりました。やればやるだけ良くなるはずで、楽しみです。ここから個々のレベルをアップしていければいい。いろんな人の頑張りがあり僕らは試合ができました。全ての人に本当に感謝したいです。もっとプレーで返せるように、僕らは責任を感じています。これからさらに頑張っていきたいです」
決して自身のプレーに大きな満足はしていなかったものの、大迫は少しだけ肩の荷が降りたようにスッキリした様子で、前を向いていた。
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[取材・文:塚越始]