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【日本代表】吉田麻也が菅原由勢と果たした約束の先への要求。名古屋U-18から「もっとトップで活躍しなければ」

森保一監督の指示を聞く日本代表の吉田麻也(左)ら。写真:日本サッカー協会/(C)JFA

「本来であれば抱きしめてお祝いしたい」ものの、「厳しく接しなければならない」と親心も覗かせる。

[国際親善試合] 日本 – コートジボワール/2020年10月13日/オランダ・ユトレヒト

 日本代表DF吉田麻也が10月12日、オンラインによる取材に応じてコートジボワール戦に向けて「カメルーン戦の反省点を具体的にチェックしたので、そこをしっかり示したい」と抱負を語るとともに、その試合で果たした菅原由勢との邂逅についても語った。

 9日の日本代表対カメルーン代表戦(△0-0)、吉田がフル出場し、菅原が86分から途中出場して国際Aマッチデビューを果たした。そのあと名古屋グランパスが公式ツイッター(@nge_official)でつぶやいたメッセージが話題を呼んだ。

「2018FIFAワールドカップのメンバーに選出された吉田麻也選手へ、当時の名古屋グランパスU-18から寄せ書きが送られました。ほとんどの選手が『頑張ってください』とメッセージを送った中で、一人だけ『待っててください』と書いた選手がいたと吉田選手が教えてくれました。 祝 初キャップ!菅原由勢選手」

 吉田と菅原は名古屋グランパスU-18の先輩と後輩にあたる。年齢差12歳あるユースとトップチームの出身選手が、オランダの日本代表のピッチで、その約束を果たした。

 吉田はそのエピソードについて聞かれ、次のように語った。

「(メッセージについて)覚えてはいました。僕個人的に常に名古屋グランパスのユースから昇格してくる選手は意識して見てしまいます。ぜひ頑張ってほしいですが、なかなかユースの選手が昇格して、A代表まで来る例が少ないクラブでもあります。そういう意味では、もっともっと多くの選手が、まずは自分のトップチームで活躍して頑張ってほしいと思います。もちろんA代表で一緒にやれればベストです」

 そのように吉田はA代表でともに戦うことを望みつつ、まず名古屋のユースからトップチームで活躍する選手が、コンスタントに出てきてほしいと願っていた。

「僕もちょくちょく帰ってタイミングが合えば(名古屋U-18の)練習に参加するようにしています。そういうところで会った選手たちが、今回の由勢のようにこうした所で再会できれば嬉しいですし、それがサッカーの素晴らしさの一つだと思います」

 世代をつないでいく。そのためにも吉田は闘い続ける覚悟である。と同時に「本来であれば抱きしめてお祝いしたい」ものの、「厳しく接しなければならない」と親心も覗かせた。

「今回、そういう関わりがあった選手がここに来てデビューできたのは非常に嬉しくて、特にユースの後輩とあって、本来であれば、もう抱きしめてお祝いしたいです。けれど、自分が代表で経験してきたことを思うと、ここに来るだけではなく、ここに居続けて、何年もプレーしてヨーロッパでステップアップしていくのが一番難しいことだと実感しています。個人的にはそこが大変だと分かっているからこそ、今は厳しく接していかなければいけないかなと感じています」

 菅原の世代が自分たちを越え、また新たな闘いに挑んでいってもらいたい。吉田は全力で目の前の相手と闘い続ける。その一方、彼らがもっと強い日本代表を作っていく未来を願っていた。

トレーニングする日本代表の菅原由勢(中央)ら。写真:日本サッカー協会/(C)JFA

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[文:塚越始]

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