セインツ監督の南野拓実“渡航批判“に、反町康治技術委員長がJFAのスタンス説明。欧州駐在スタッフ、各クラブと事前確認
南野拓実。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ハーゼンヒュットル監督がコロナ禍の長距離移動に、「ナンセンス」と疑問視。
イングランド・プレミアリーグのサウサンプトンFCを指揮するオーストリア人のラルフ・ハーゼンヒュットル監督が、国際Aマッチ期間の日本代表MF南野拓実ら代表選手の海外遠征に疑問の声を上げた。
FAカップのボーンマスFC戦に向けた記者会見の席でのこと。この試合のあと国際Aマッチ期間に入り、リーグは中断される。しかし複数の選手が母国などの代表戦に臨むため遠征する。とりわけ南野は日本までの長旅を強いられる。このコロナ禍でのその渡航に、ハーゼンヒュットル監督は「ナンセンスだ」と言った。
「(南野にとって)大きなものを得られる旅になることを願っています。他にも何人かの選手が行くことになるでしょう。とはいえ、正直なところ、現在の渡航の難しさ、戻ってきてから再び起用できるまでの時間を考えると、ナンセンスとしか言いようがありません」
指揮官はさらに続ける。
「私たちは現在外へ出ることもできません。そうしたなかで(スポーツのエリート選手の渡航は認められているものの)、世界中を飛び回らなければいけない理由が分かりません。もちろんそれが現実であり、受け入れなければいけないことは分かっていますが……」
つまりは選手への負担を考えれば、このタイミングで長距離移動をすべき理由が分からない、ということだ。
これに対し、日本サッカー協会の反町康治技術委員長は3月19日のU-24日本代表メンバー発表の席で、そのような報道があったことで意見を求められた。
日本サッカー協会(JFA)の反町技術委員長は「そのサウサンプトンの監督のコメントを聞いていないので、少し分かりませんが」としたうえで、次のようにJFAのスタンスを説明した。
「我々日本サッカー協会としては、欧州拠点にJFAの職員を置いています。(日本代表など)クラブから選手を招集する際、彼を中心に(欧州各クラブへ招集レターなど)展開して返事をもらう形になっています。彼の情報によりますと、南野選手について、招集は可能であると話を聞いています。クラブが招集に応じてくれていると理解しています。ただ(ハーゼンヒュットル監督の報道について)僕も初めて聞きましたので、そのコメントに対して、何か言うことはできません」
昨年は10月、11月とヨーロッパのオランダとオーストリアでJFA主催の国際Aマッチが開催されて、選手からも好評を博した。もちろん日本で開催する意義もあり、今回はワールドカップ(W杯)予選もある。現場の監督から上がった声ではあったが、欧州トップリーグのクラブとのコミュニケーションや連携は、このコロナ禍ではより大切になっていきそうだ。
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[文:サカノワ編集グループ]