【なでしこ】『9番』植木理子、葛藤を越えて6ゴール。決勝・豪州戦で5戦連発なるか
熊谷紗希と歓喜の抱擁をかわす植木理子(右)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「自分の思う長所と外からの評価の乖離がすごく大きくて…」
[女子アジア杯 決勝] 日本代表-豪州代表/2026年3月21日18:00(日本時間)/アコースタジアム
AFC豪州女子アジアカップ決勝、なでしこジャパン(日本女子代表)が3月21日18時から、オーストラリア女子代表とアジア女王のタイトルを懸けて対戦する。
植木理子はここまで4試合連続、大会通算6ゴールを記録。準決勝の韓国戦では15分、「ほぼ長野(風花)選手のゴールですけど」と値千金の先制点を奪った。グループステージ第2戦のインド戦ではハットトリックを達成している。
一方、ここまでの道のりは“遠回り”もあった。
インド戦のゴールは、ニルス・ニールセン体制下での初得点。それまで決定機を逃す試合も続き、結果を出せない時間を過ごしていた。
「自信がなかったんだと思います。むしろあるように見せて、アピールはしてきたつもりですけど、代表で求められる役割は自分が秀でているところではない……と思っていましたが、そこが評価されていたとこもあって。そのギャップというか、自分の思う長所と外からの評価の乖離がすごく大きくて、そこに自信を持てずにいました」
背景には、代表で求められる役割と自身の持ち味とのズレがあった。前線からの守備や献身的なプレーも求められるなか、フィニッシャーとして結果を残すことへの思いとの間で葛藤してきた。
所属するウェストハムではウイングやトップ下など複数ポジションを任され、プレーの幅を広げてきた一方、自身の軸を見つめ直す時間でもあった。
「今までやってこなかった、足元で受けて展開するプレーなど、できることは確実に増えました。そこにはある程度の自信があります。ただ、それでも自分の良さは失ってはいけないと思っていて、今大会は自分がやれることをやろうと割り切って入りました」
今大会では本来のセンターフォワードとして起用され、ゴールという結果で応えている。
「自分の今後のサッカー人生にとって、本来のポジションでプレーできている今大会はすごくいいタイミングです。周りに支えられてのゴールですが、自分の役割は決めること。結果を出せているのは本当に大きいです」
その武器の一つがヘディングだ。
「ヘディングには自信があります。50-50で競るというより、動き出しやジャンプのタイミングで相手を外せる感覚がある。それはクラブでも積み上げてきました」
準決勝・韓国戦では63分、浜野まいかのCKにニアで合わせたヘディングがクロスバーを直撃。「あれは決めたかったです。でも、あの入り方は良かった」と手応えを口にした。
もう一つの強みはスタミナだ。準々決勝フィリピン戦では交代枠を使い切ったあともシャトルランでコンディションを維持。相手チームの脳震とうの疑いによる交代を受けて交代枠が一つ増え、田中美南の負傷交代を受けて急きょ出場。その直後にヘディング弾を決めている。
「シャトルランの最後の方だったので、その勢いのまま決められたのかもしれません(笑)。動き出しの質も大事ですが、自分は回数を重ねられるのが強み。自分が動くことでスペースを作れると思うので、そこは示していきたいです」
自信を取り戻したストライカーが、アジアの頂点を懸けた決勝に臨む。地元オーストラリアとの大一番でのゴールが、「9番」をつけるストライカーとしての証明となるはずだ。
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