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【なでしこ】成宮唯の2得点でジェフLが強豪連破。週末、浦和L戦のキーパーソンは

この日2ゴールを決めたジェフLの成宮唯。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

曽根七海のキックが“3強3連勝”をもたらすはずだ。

[なでしこ 12節] ジェフL 2-1 INAC/2020年9月27日/フクダ電子アリーナ

 なでしこリーグ12節、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースがホームでINACレオネッサに2-1で競り勝ち、前節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦に続く強豪撃破に成功した。今週末には浦和レッズレディース相手に“強豪3連勝”を狙う。

 開始直後の5分、岩渕真奈のクロスがDFの伸ばした足に当たって軌道が変わると、ファーサイドにいた田中美南に決められ、INACに先制点を与えてしまう。

 そこから試合の主導権もINACに流れていき、ジェフLは我慢の時間帯が続いた。それが報われたのは28分。鮫島彩のパスをカットした瀬戸口梓がバランスを崩しながら懸命にパスを放つ。そこへ信じて走り出していた成宮唯が「いいパスが来た」とDF2枚をかわしニアサイドのわずかなスペースで合わせて、1-1の同点に追い付く。

 そして60分、ジェフLがついに勝ち越す。敵陣でボールを奪った曽根七海が相手のプレスをかわして一気に前線へロングフィードを放つ。すると成宮が再びオフサイドラインぎりぎりで抜け出してゴールを決めて、2-1と逆転してみせたのだ。

 試合終盤、中島依美、増矢理花、髙瀬愛実、川澄奈穂美と代表クラスのカードを切るINACに対し、ジェフLが粘り強く守り切り、価値ある勝利を収めた。

 成宮をはじめ、大滝麻未、曽根ら前線は流動的にポジションを変えながらプレスをかけ続けた。ゴール前の守備では足りないところを“誰か”が埋めるのではなく、“自分が埋める”意識が最後まで途切れず、INACの進入を防ぎ続けた。

 次戦は首位・浦和レッズレディース戦だ。得点源の成宮へのマークは厳しくなることが予想される。となれば期待を寄せたいのが曽根だ。

 INAC戦でも一本のロングパスで状況を一変させた視野の広さと、確実なキック力は、浦和にも十分に通用するはずだ。今シーズンはじめはボランチを担っていたが、この強豪との連戦では、前線にポジションを変えている。

 前線3人の動きが流動的ななか、前線であればゴールへの姿勢も求められる。自らが足を振る選択肢を第一に置ければ、浦和相手にも効果的なはずだ。

 猿澤真治監督は日テレ戦後、「基本的にはこういった戦い方を(上位陣と)3試合続けて出せれば実力がついたと言える」と語っていた。そしてINACから勝利を手にしたあとは「(前節の)開き直ったことが自信になった」と頷いた。

 3強相手に3連勝なるか。首位・浦和に勝利できれば、ジェフLが過去にない、揺るぎない自信を手にできるはずだ。

INACの鮫島彩。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
仕掛けるジェフLの曽根七海。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ジェフLの鴨川実歩(右)とINACの川澄奈穂美。写真:早草紀子/(C)Noriko
歓喜するジェフレディースの選手たち。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

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[取材・文・写真:早草紀子]

Posted by 早草紀子

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