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「唯さんと目が合った気がして」植木理子が渾身の一撃に込めた思い。池田ジャパン、公式戦ファーストゴールに。今日ベトナム戦│サッカー日本女子代表

ミャンマー戦でゴールを決めた日本の植木理子。(C)2022 Asian Football Confederation (AFC)

ミャンマーとの初戦、22分にヘディングで均衡を破る。

[女子アジア杯] 日本 – ベトナム/2022年1月24日19:30(日本時間23:00)/シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス

 なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)はアジアカップ初戦、ミャンマーから先制点を決めるまで22分を要した。初戦の堅さもあり、これ以上の時間が経てば、チームの勢いと自信が弱まるギリギリの時間帯だった。

 安堵の先制点をもたらしたのは植木理子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)だ。真骨頂と言える身体を投げ出すヘディングで奪ってみせた。

 池田太監督就任後の公式戦初ゴールでもある。ただ、この得点に込められた彼女の想いは強い。

 2019年の女子ワールドカップ(フランス)では現地入りしながらもケガの状態が悪く、大会前に帰国を余儀なくされた。東京オリンピックのピッチに立つ目標も叶わなかった。

 そして池田監督の就任に伴い、なでしこに返り咲いた。それでも昨年11月のオランダ遠征ではアイスランド戦後に体調を崩し、オランダとの対決のチャンスを逃していた。

 それでも今回メンバー入りを果たした。3連覇を狙うアジアカップ、放出しきれない溜め込んでいたエネルギーを弾けさせる機会を得た。

 日本対策を練ってきたミャンマーに対し、日本があの手この手で揺さぶりをかけるなか、完全に裏をかいたのが、GK山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)の右サイド奥のスペースへの完璧なロングフィードだった。待ち受けていた長谷川唯にボールが収まり、そのクロスに、ベレーザの後輩である植木が合わせた。

「唯さん(長谷川)と目が合った気がしたので勢いを持って入っていった結果です」

 さらに追加点となる長谷川のゴールもアシスト。ワンサイドゲームとなるなか、植木は「2トップの関係性で相手マンツーマンの守備の裏を突いていくこと、アクションをし続けて流動的に動くことは効果的だった」と手応えも掴んだ。

 現在22歳。名門ベレーザのゴールゲッターとして経験を積んできた。パスサッカーへの対応力、個として強引に足を振り抜くパワー、相手を弾き飛ばして制す空中戦の強さ、何より気持ちを前面に押し出した泥臭いプレーもできる。こういう選手のゴールは、苦しい状況であればあるほど流れを引き寄せる。

 今大会が終わる頃にはどのようにステップアップしているのか。とても楽しみな選手だ。

 チームとしては5-0で勝利したものの課題も多く見られた。第2戦、さらに粘り強い守備を見せるベトナムが相手だ。グループリーグ突破を考え、初戦で韓国がベトナムから決めている「3ゴール」以上が一つ目安になる。

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[文:早草紀子]

Posted by 早草紀子

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