WEリーグ開幕、ベレーザ藤野あおば“リベンジ”決勝PK弾!「植木さんが蹴ると思って…」
WEリーグ開幕戦、決勝PKを決めたベレーザの藤野あおば。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
U-20日本女子代表の「10番」、なでしこジャパンでもデビューを果たす。
[WEリーグ 1節] ベレーザ 1-0 新潟L/10月22日14:03/味の素フィールド西が丘
WEリーグ開幕戦、日テレ・東京ヴェルディベレーザが藤野あおばのPKによるゴールを守り切り、ホームでアルビレックス新潟レディースに1-0の勝利を収めた。
3バックと5バックを駆使して立ちはだかる新潟Lに苦戦しながらも徐々に主導権を握っていったベレーザは、67分、ペナルティエリア内に仕掛けた藤野あおばが相手に倒されてPKを得る。
「植木(理子)さんが蹴ると思って、(PKの)こぼれ球を狙う位置につこうとしたら蹴らないってことになって……」と、このPKを獲得した藤野が予想外のキッカー役を担った。しかも藤野は先日のWEリーグカップ決勝の三菱重工浦和レッズレディース戦のPK戦で、キックを止められていた――。
ただ、だからこそトラウマにさせないためのキッカー指名だった。
「決めるか決めないかでチームの勝敗が大きく関わってくる大事な場面で緊張もありました。ただ自分に課せられている役割はチームを勝たせること。GKが取りやすい高さは避けて、より低い弾道でコースを蹴り分けられれば決められると思ったので、落ち着いて蹴りました」
その言葉通り、低いコースでGKの手先をすり抜けるギリギリの左隅へ蹴り込み、これが決勝点となった。
藤野は8月のU-20女子ワールドカップ(W杯)準優勝したU-20女子日本代表の「10番」を背負った逸材だ。同大会では全試合に出場し、ゴールこそなかったが右サイドから再三にわたりチャンスを演出していった。
帰国後は、なでしこジャパンでデビューを果たし、彼女の持つクレバーさは経験を重ねるごとに増幅している。新潟L戦ではポジショニングに気を配り、チーム全体の守から攻へのトランジションをスムーズにしていった。
「自分のプレーで何かを変えないと変化は生まれないと思うので、運動量や動き出しで相手の陣形を変えられるようにしていかないといけない。時間帯を意識して自分のプレーの選択をしていければ……。自分のボールロストを減らせば相手のチャンスの回数も減らせるし、ゴールに迫る回数も増えると思います」
次節はWEリーグカップ決勝で対戦した浦和L戦だ。どのように修正し、進化した姿を見せられるか――。
[取材・文:早草紀子]
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