日本女子代表、スペイン戦へ!3バックの戦いを模索するなか南萌華…4失点喫したイングランドを「標準に持っていかなければ」
日本女子代表の南萌華。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
U-20女子W杯の優勝メンバーが早くも活躍。
[親善試合] スペイン女子代表 – 日本女子代表/2022年11月15日(日本時間16日4:00)/エスタディオ・オリンピコ・セビージャ
欧州遠征に臨んでいるサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は11月12日の、ヨーロッパ女王イングランド女子代表戦、0-4の大敗を喫した。チームの雰囲気もよく自信が漲っている。まさに成熟期に差し掛かっている世界最高峰のレベルにあった。対して日本は、先月初めて着手した3バックで“世界レベル”に初めて挑んだ。
スタジアムはバレンシアから車で3時間、近郊のムルシアからでも車で40分ほど離れた海沿いの街にあり、ヨーロッパチャンピオンの雄姿を一目見ようと小さな町に大勢の観客がつめかけ、チケットは完売。イングランドへの期待値が高まる中で迎えた一戦だった。
序盤から予想通りイングランドに終始ボールを握られ、前線では1月のAFC女子アジアカップ以来の招集となった岩渕真奈(アーセナル)、長谷川唯(マンチェスター・シティ)らが懸命にプレスをかけたが、ゴールに迫る形はなかなか作れなかった。二人がキープしても、ゴールに向かえる位置に味方がおらず、出しどころを探しているうちに囲まれてしまうことも多かった。
4失点のうち、通常では考えられないイージーミスから2失点。相手はさらに勢いづき、日本は悪循環から抜け出せなくなっていった。結果的に自分たちでできることを狭めてしまう実にもったいない試合となってしまった。
最終ラインに入った南萌華(ASローマ)は「守備で受け身になってしまった」と悔やむ。特に2失点目は右サイドから崩され、逆サイドの選手が押し込む左右の幅を生かされてしまった。
「自分がちょっとカバーに遅れてしまった。ウイングを前へ出した時のスペースを突かれるのが3バックのウィークポイント。そこをどう埋めるか……。ドリブルで1枚抜かれると、シュートもあるからどうしても出ないといけない。そこで対応が悪いと上手くパスされて、相手に上手く引き出されてしまいました」
南はそのように後手を踏んだと振り返った。
また、試合後、複数の選手から「パスを受けるのを怖がっていた」という言葉が出たことからも分かるように、イングランドに強度に日本は消極的思考に陥っていた。
圧倒的な力を見せつけられたショックもありながら南は必死に前を向く。
「この高いレベルと戦えないとワールドカップで上位に食い込んでいけない。最後は割り切って前からプレッシャーをかけてハメて(ボールを)取れたところもあったので、そこは自信を持ちつつしっかりと修正していかないといけない。ここに標準を持ってこないとダメだと改めて感じました」
今度はセビリアへ移り、スペインと対戦する。今夏U-20女子ワールドカップを制した若い選手たちが早くも活躍している。スタイルとしては日本と似た特長を持つ相手に何を掴むのか、迷いなく挑んでもらいたい。
[取材・文:早草紀子]
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