W杯は大丈夫か。長谷部誠が語った「ケガとの付き合い方」
長谷部は膝の「機嫌」を窺いながらプレーをしているそうだ。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
僕も膝に機嫌を聞かないと、ちょっと分からないときがある。
ブンデスリーガ1部アイントラハト・フランクフルトの長谷部誠は、今年3月に手術した右膝に少なからず問題を抱えながらプレーし、今月9日のバイエルン戦からは感染症のため欠場が続いている。
ドイツ出身で元クロアチア代表MFでもあるニコ・コバチ監督は、2016年の就任以来、長谷部に全幅の信頼を置いてきた。しかし今季の長谷部について記者会見では「様子を見ながら起用している」と明かし、9月に2試合、10月に連戦2試合をケガのため欠場させた。11月25日のレバークーゼン戦(●0-1)では今季初めてベンチで過ごさせている。
長谷部は10月21日のドルトムント戦(△2-2)のあと、ケガとの付き合い方について次のように語っていた。
「基本的にまあ良かったり、悪かったりしています(笑)。僕も膝に機嫌を聞かないと、ちょっと分からないときがあるんですけれど……。(試合後に痛みなど)リアクションが出ることもあります。ただ、こればかりは毎回同じシチュエーションではないので、自分でもなんとも言えないです」
その日、その日、長谷部自身も膝がどのような状態なのか分からない不安と向き合っていた。ただ、それも現実として受け止め、ある意味、流れに身を任せていた。
10月の日本代表欧州シリーズの2試合には欠場した。「あそこでしっかり休めたのは大きかった。それだからと言って、完全によくなったわけではないんですけれど。そのように、様子を見ながらという感じが続いています」と語り、プレーをしながら治していく考えを示していた。
ブンデスリーガはウインターブレイクに突入しているが、フランクフルトは12月20日にアウェーでDFBカップ準々決勝・ハイデンハイム(ブンデス2部)との今年最後の一戦を残している。そして来年は――6月にFIFAワールドカップ・ロシア大会が開催される。それまでに、ケガの状態も「機嫌」を窺わずに済む程度にして、全力を振り絞って戦う姿を見せてもらいたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI
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