R・シルバ電撃退団へ…原口元気の浦和復帰はあり得るのか?
原口の浦和復帰はあるのか?写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ブンデスリーガ再開初戦はベンチ外。ラファ資金を使えば獲得できそうだが。
メディカルチェックのため中国に渡ったラファエル・シルバの中国2部・武漢卓爾職業足球倶楽部への移籍が決定的になった。武漢は浦和が設定した移籍保障金(移籍金)を支払い、さらにR・シルバも新天地でのプレーを希望しているという。浦和のチームメイトもSNSでR・シルバに感謝と健闘を称えるメッセージを送っていて、移籍は決定的と見ていいようだ。
すでに高木俊幸(→セレッソ大阪)、梅崎司(→湘南ベルマーレ)、駒井善成(→コンサドーレ札幌)とアタッカー陣が移籍。マルティノス、武富孝介を獲得して選手層の維持に着手したものの、昨季のチーム2位となる12得点、ACLでは決勝2試合連続など11試合・9得点を決めたR・シルバの退団は戦力的には痛手だ。
とはいえ、クラブが設定した数億単位の移籍保障金を得られるのであれば、それをさっそく補強にも生かせるわけだ。
そこで浮上する案が、原口元気の4年ぶりの浦和復帰だ。2017-18シーズンはほとんど出場機会を得られず、ウィンターブレイク明けの1月13日の18節・シュトゥットガルト戦もベンチ外(チームは0-1敗退)だった。
ヘルタ・ベルリンのミヒャエル・プレーツマネジャーは、「獲得を希望するクラブがあれば、私たちは交渉の席につく」と語っている。原口に関しては、昨夏にシュツットゥガルトとプレミアリーグのブライトン、この冬にハンブルクが獲得を検討していると噂されてきたが、いずれも実現せずにいる。
ハンブルク行きなどブンデスリーガ内の移籍に関しては、まだ可能性を残しているようだが、先行きはまったく読めない。浦和の下部組織出身からトップチームを経てドイツに渡り、日本代表の主力に定着したー―まさに浦和の新たなシンボルと言えるタレントが‶飼い殺される“日々を、浦和がこのまま看過することもできないだろう。ラファエル・シルバが退団しても、浦和の外国籍選手枠はアジア枠を抜いて埋まっており(ズラタン、マルティノス、マウリシオ)、チーム編成的にも日本人選手のほうが獲得しやすい状況ではある。
原口とヘルタ・ベルリンの契約終了時は今季まで。ユニオン・ベルリンから鹿島アントラーズに復帰した内田篤人と同様、あと半年の契約を残している。内田は約2300万円の移籍保障金で鹿島復帰を果たした。もう少し設定額は高そうだが、R・シルバ退団時に得た保証金で十分支払えるだろう。
もちろん原口の第一希望は、ヨーロッパで戦い続けること。浦和が原口をこの段階で必要とするかどうかも分からない。夏のマーケットが開くまで現在の戦力で様子を見て、対策を立てたいと考えるかもしれない。
また、ヘルタも原口と同じタイミングで加入したスイス代表のサイドアタッカーであるヴァレンティン・シュトッカーが、1月11日に古巣のバーゼルに復帰することが発表された。ここに来て、ヘルタ・ベルリンが原口を再び必要することも考えられる。
冬の移籍市場は1月31日まで。さまざまな思惑や駆け引きがあるなか、夏のFIFAワールドカップ・ロシア大会に万全のコンディションで臨むためにも、原口には何かしらの決断を下すことが迫られる。そして浦和もラファエル・シルバの穴(昨季決めた12ゴール)を埋めなければいけない。そう考えると、やはり原口と浦和の思惑が合致することはあり得ると見ていいようだ。
文:サカノワ編集グループ