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ポルト中島翔哉がJリーグ移籍?FC東京、名古屋、浦和、大穴…移籍できそうなクラブを考える。タイムリミット迫る!

中島翔哉。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

古巣、元監督…。移籍金は日本人最高。実現の場合、ローン契約になりそうだが――。

 2019-20シーズン末からチームに合流できずにいるポルトガル1部リーグ、FCポルトのMF中島翔哉に、ポルトガルメディアによるとJリーグ復帰の噂が出ているという。欧州の名門であるポルトの争いが熾烈を極めるのは言うまでもないが、日本代表の10番を背負うタレントがこのまま“戦力外”でいるのは誰にとっても有益と言えない状況だ。とはいえ、Jリーグの夏の移籍期間は8月28日までだ。

 発表があるとすれば、このあとポルトの28日の活動が開始されてからになる。あるいはFIFA(国際サッカー連盟)の措置で特例として認められた10月2日から30日までの「第3の移籍期間」になるか。それとも一転、ポルトでのプレーを再開させるか――。

 ポルトガルメディア『ジョルナル・デ・ノティシアス』はこのほど、中島が日本にローン移籍することで交渉を進めていると伝えた。

 具体的なチーム名は挙がっていないが、現状を考えれば、日本復帰は確かに候補に入ってくるのは自然な流れの一つだ。

 では、もしも26歳になる中島がJリーグに復帰する場合、どのチームでプレーすることがより現実的か。あくまでも想定だが、それぞれのクラブについて、メリット・デメリットを含め考察したい。

 まず古巣のFC東京だが、今後ACL(アジアチャンピオンズリーグ)との過密日程を控え、何より中島と同ポジションでもある左MFの東慶悟がケガで長期離脱中だ。中島が活躍できる土壌はある。とはいえ長谷川健太監督のもと、若い選手たちが起用されて頭角を示してきている。最近は“大型移籍”が少なく、そこまでこの段階での補強には積極的ではないか。

 名古屋は、2014年、2015年と中島がFC東京時代にプレーしたマッシモ・フィッカデンティ監督が率いている。指揮官はリーグトップのクラブを目指すためには、今後の連戦に備え、即戦力クラスの補強も必要だと語っていた。そういったコメントや、クラブが本気でタイトル獲得を目指す姿勢を示す意味でも、中島を必要とすることは十分想定できる。とはいえ攻撃的MFやFWは人材も多い。戦力バランス的に、今最も欲しているのは最前線のタレントか。

 浦和は、中島と同じ仲介人が担当していたマウリシオ、ファブリシオがこのほどポルティモネンセSCに期限付き移籍。また、ポルトがパスを保有するエヴェルトンも浦和でプレーしてきた。そういったつながりの中に、中島が加わってくることはあり得る話だ。とはいえ浦和もこのパンデミックで受けた経営面の打撃は大きく、中島レベルの選手を獲得できる余力があるのかどうかは分からない。ただ4-4-2のスタイル構築を進めるチームにとって、中島が加われば様々なプラスの効果が期待できそうだ。

 横浜F・マリノスは天野純の復帰、小池龍、ジュニオール・サントス、前田大然ら即戦力かつ日本代表クラスのタレントを次々と獲得してきた。その流れから中島をターゲットにすることは確かに考えられる。ただ素早いトランジションの繰り返しやあらゆる局面での強度の高さが求められるスタイルに、ちょっと中島は合わないか?

 ヴィッセル神戸もまた、FC東京、横浜FMとともにACLに臨んでいる。加えてアジア制覇を一つの目標に掲げていて、ACLは外国籍選手の枠がJリーグよりも少ない(Jリーグは5人、ACLは3人+アジア枠1人)。アジアの戦いで戦力ダウンを免れるために、日本人の即戦力を必要とする可能性はある。とはいえ最近の補強は控え目で、若手選手も数多く起用されているだけに、中島獲得は優先事項には入ってこないか。

 さらにセレッソ大阪は、ロティーナ監督の志向するサッカーと中島のプレースタイルが合致しそうで面白い。守備の強度はより求められそうだが、攻撃面での自由な発想が尊重され、柿谷曜一朗や清武弘嗣らとのコラボレーションは興味深い。

 プロキャリアをスタートさせたJ2リーグ東京ヴェルディは“大穴”か。この1年間、ポルトがそこまで金銭的な要求をしていないのであれば、J1復帰に向けたクラブの“熱意”で振り向かせることもできるか!?

 中島は2018-19シーズン、ポルトガルのポルティモネンセSCからカタールのアル・ドゥハイルSCに日本人選手の最高額となる移籍金(違約金)3500万ユーロ(約43億6000万円)で完全移籍。さらに2019-20シーズン、ポルトがクラブ史上2番目に高い1165万ユーロ(約14億5000万円)で、アル・ドゥハイルから保有権の半分を買い取る形で獲得。中島とポルトは2024年6月まで5年契約を結んでいる。

 Jリーグの夏の移籍市場(第2の移籍ウインドウ)は今日8月28日まで。新型コロナウイルスの影響を受けた今年は特例により、第3の移籍ウインドウが10月2日から10月30日まで設定されている。

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[文:サカノワ編集グループ]

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