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どうなる香川真司!?「3つ」の選択肢と可能性。サラゴサの本音は…

香川真司。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

重要なのはルベン・バラハ新監督の意向か。

 レアル・サラゴサの日本代表MF香川真司の動向が、スペインで注目を集めている。9月5日にもチームの全体練習に合流する予定だが、クラブは放出を前提にしたうえで、香川サイドと話し合っているという。ルベン・バラハ新監督のもと1部昇格に向けて動き出したサラゴサだが、今後考えられる香川の三つの選択肢と可能性について考えてみたい。

 サラゴサのメディア『エル・ペリオディコ』アラゴン版は9月2日、香川がメディカルチェックとPCR検査を経て、5日にも合流すると伝えた。

 しかし、2021年6月まで2年契約を結んでいる香川について、クラブは放出に向けて動いているということだ。香川の年俸40万ユーロ(約5000万円)以上から「得られたメリットは少なかった」という判断だ。

 香川サイドは年俸をさらに下げるなど条件を提示し、残留に向けた交渉を行っていると記される。香川は昨季スペイン2部リーグ31試合(先発23試合)に臨み、出場時間1730分はチーム内8位で、4ゴールを記録している。

 スペイン主要メディア『アス』は8月29日、「サラゴサが香川との契約解除に向けて交渉」と題したレポートを掲載。1部昇格を逃したこと、新型コロナウイルスの影響によってクラブが経営面で大きな打撃を受けたこと、加えて「パフォーマンスが低調だった」という評価から、クラブは香川を放出する方針であると断言するように報じた。

 つまり、経営的に厳しいサラゴサは、パンデミックの追い討ちを受けたクラブの厳しい事情を説明したうえで、香川に退団を強く推奨していることが分かる。サラゴサは2011年と比較的最近、法的整理による破綻を経験しただけに、“お金”に関し非常にシビアになっている。

 加えて香川には、中東4クラブが獲得を検討し、Jリーグ復帰の可能性も伝えられる。さらにはこのほど噂の領域だが、久保建英の所属するビジャレアルCFも興味を示していると言われる。

 サラゴサとしては、香川がより活躍できる環境、またドルトムント時代ほどではないにしても、より金銭的にも好条件でプレーできるクラブがあるため、そういった背景も移籍を後押しする背景にあるようだ。

 香川は昨季ボルシア・ドルトムント退団時点では5~6億円の年俸を得ていたとされ、実際、レンタル中だったベシクタシュJKからは年俸約2億円での完全移籍のオファーが届いていた。そうしたなか年俸ではなく「子供の頃からプレーしたかった」という夢を優先し、スペインでの戦いを選択した。

 サラゴサでの残留を目指す場合、ルベン・バラハ新監督の意向も重要になるだろう。現役時代はズバ抜けたボール奪取力に定評のあった指揮官が、香川をどのように評価し、戦力として必要としているのかどうか。昇格を逃したプレーオフ2試合でのパフォーマンスは評価していたというが……。

 大幅な減俸を受け入れての残留、香川を必要としているクラブへの移籍、日本復帰――その3つの選択肢の中で、香川は基本的には残留を希望していると見られる。スペイン国内からのオファーがあれば状況は一変するかもしれない。ただし、中東など“好条件”のオファーより、スペインでのプレーにこだわりがあることは明白だ。

 そう考えると、万が一、サラゴサで居場所がなくなり(例えばクラブの事情を理解し、退団を受け入れる)、スペイン以外のプレーに意欲が沸かないような場合、興行面でピンチにあるJリーグの救世主となるべく復帰も“最終選択”としてはあり得るか。

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[文:サカノワ編集グループ]

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