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バイエルンから意地の一発、堂安律の真価はここから問われる

堂安律。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

専門誌のビーレフェルト担当記者からもキーマンに挙げられる。

 ドイツ・ブンデスリーガ1部アルミニア・ビーレフェルトの日本代表MF堂安律が10月17日、バイエルン・ミュンヘン戦(●1-4)の58分に起死回生のゴールを決めてみせた。自身にとってもドイツでの初ゴールが、欧州王者から奪うという記念すべき一撃となった。

 攻め上がるバイエルンに対し、ビーレフェルトのキャプテンでもあるファビアン・クロスが高い位置でボールをキープ。そこで右サイドを駆け上がった堂安がパスを受けると、ペナルティエリア内でのまたぎフェイントで相手をかわし、利き足とは逆の右足で正確に合わせて、ドイツ代表守護神のマヌエル・ノイアーの壁を打ち破ってみせた。

 堂安の嗅覚が発揮されたゴールでもあった。

 しかし、バイエルンはロベルト・レヴァンドフスキ、トーマス・ミュラーのキング二人がドッペルを達成。注目もその二人に集中。スコアは0-4とすでに勝負が決してからのゴールとあって、ドイツではあまり話題に上っていない。

 また堂安はその後、自身の形に持ち込みながら左足のシュートをふかし枠の上へ外してしまっている。それが決まっていれば、また注目度も大きく変わっていたに違いない。

 バイエルン戦では初めてフル出場も果たした。ビーレフェルトのウーヴェ・ノイハウス監督も堂安のこの日のパフォーマンスについて、「これまでで最も良かった」と評価している。

 堂安はこれまでリーグ4試合(324分)・1得点を記録。一方、今季2部から昇格したチームは1勝1分2敗(3得点・6失点)で14位にある。チームにとっても、堂安にとっても、1部残留を果たすためには、まさにここから真価が問われる。

 サッカー専門誌『キッカー』のビーレフェルト担当記者は、チームが示す「4つの可能性」というレポートで、その一つに堂安の存在を挙げている。今季は「個」がより問われるオランダから、組織の中で「個」を生かすことも重視されるドイツでの戦いを選択した。

 バイエルン戦で突き刺した意地の一発。ある意味、22歳の日本代表レフティが、ビーレフェルトの命運をも握ることになってきそうだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

 

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