【スペイン紙】「久保はチャンスを生かせなかった」。一方、ライバルのチュクウゼェが決勝点、評価を高める。ELシバス戦で明暗分かれる
ELのシバス戦、ビジャレアルの久保建英は見せ場を作れず途中交代に。※UEFA.TVより
右ウイングで先発、交代後にチュクウェゼが「自由になれた」。
[EL GS5節] シバス 0-1 ビジャレアル/2020年12月3日(日本時間4日2:55)/ニュー・シバス
ヨーロッパリーグ(EL)のグループステージ(GS)5節、スペイン1部ビジャレアルCFがトルコ1部シバス・シュポルに1-0の勝利を収め、決勝トーナメント(ラウンド32)へのグループ1位突破を確定された。日本代表の久保建英は右ウイングで先発したものの見せ場を作れず、58分に最初のカードで交代している。
スペインメディア『アス』はこの試合のレポートで、ビジャレアルがこのトルコツアーで最大の目的としていた「1位突破確定」を果たしたことを強調。この結果、11日(日本時間12日5時から)のホームでのカラバフFK戦は“トレーニングセッション”に活用できると踏む。
そして国内リーグを戦うトップチームでは現在、モイ・ゴメス、パコ・アルカセル、カルロス・バッカが負傷離脱中のため、今回、攻撃陣のテストに重きが置かれた。そのなかで、3トップは、左からナイジェリア代表サムエル・チュクウェゼ、フェルナンド・ニーニョ、久保という初めての組み合わせが採用された。
ある意味、久保が何度か起用されてきた「左」で、チュクウェゼが試された形でもあった。
そして久保は久々に得意である右サイドに入った。しかし同メディアは、次のように評している。
「今回エメリは、久保が最も得意とする右ウイングのポジションを与えた。チュクウェゼは仕方なく左に入った。しかし日本人選手はこのチャンスを生かせなかった。違いを生み出せず、ライン間での役割も果たせなかった」
そして58分と早い段階で、久保は売り出し中の18歳ピノと交代に。すると試合が動いた。
「久保がピッチを去ると、チュクウェゼは元の位置(右サイド)に入って、より自由になった。そこからナイジェリア人選手は最高のプレーを見せ始め、ゴールを決めた」
そのように「左サイド」の突き上げが物足りないという問題は解決せずにいるものの、久保とチュクウェゼの序列争いは明暗が分かれ、試合の結果をも左右したと振り返る。
ウナイ・エメリ監督は試合後の記者会見で、「幸せなことに目標を達成できました。一番の目的な1位突破を確定させること、そして二番目は若手選手を成長させ、全体のレベルを継続して引き上げることでした」と喜んでいた。内容は決して良かったとは言えないが、トルコへのアウェーゲームでしっかり結果を残した選手たちを称えていた。公式戦はこれで13試合負けなしだ。
久保が調子を落としているのは明らかである。ここからどのように挽回してみせるのか――ある意味、最大の勝負どころだ。
戦いの場は国内リーグに戻り、暫定3位のビジャレアルは12月6日、同10位のエルチェCFと対戦する。
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[文:サカノワ編集グループ]