久保建英が偉大な選手になるため「唯一欠けている点」とは?ヘタフェ監督が指摘、技術はレアル・マドリードも認めるレベルだが
久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
記者会見でヘタフェ低迷の要因を分析、ボルダラス監督自身は来季続投希望。
[スペイン1部 31節] ヘタフェ – レアル・マドリード/2021年4月18日(日本時間19日4:00)/コリセウム・アルフォンソ・ペレス
ヘタフェCFのホセ・ボルダラス監督が週末のホームでのレアル・マドリード戦に向けた記者会見を行い、そのなかで「私はヘタフェとの契約を更新して、それをまっとうしたい」と6シーズン目の続投へ意欲を示した。また、レアル・マドリードから期限付き移籍中の久保建英について、「偉大なプレーヤーになる」可能性を認める一方で「唯一欠けている点」を指摘した。
今回の記者会見では、ヨーロッパカップ戦の出場権を得るには厳しく、まず残留確定が当面のターゲットになる状況であり、シーズン総括的な内容についても語っている。
指揮官はこれまで3シーズン、スペイン1部リーグで8位以内に入り、一度は5位フィニッシュからヨーロッパリーグにも出場した。ただそうした躍進によって、周囲の期待が高まり、より強くなるための補強も求められた。そこで微妙に歯車が噛み合わなくなっていったとクラブ事情を解く。
結果的に、活躍した選手はよりレベルの高いチームに引き抜かれていった。しかし同レベルの選手を獲得する、あるいはその期間に育て上げるには至らなかった。
今季は残留を争うポジションに。指揮官はそういった背景を踏まえれば「飛躍をもたらしてくれた選手たちは去り、新たな選手来なかった。この現実を受け入れ、これまでと異なる目標を立ててリーガに臨まなければならない」と、冷静に分析している。
そうしたなか、久保についても質問を受けたボルダラス監督は、次のように語っている。
「タケは素晴らしいプロフェッショナルな若きタレントです。確かにまだ若くフィジカル的に成熟する必要があります。彼もそのことを理解し、フィジカル面でもう一歩踏み出せば、偉大なプレーヤーになれる才能を持ち合わせています。それが彼に欠けている唯一の点だと思います」
そのようにラ・リーガで90分間戦い切る、そして簡単には倒れないフィジカルに磨き上げることを、指揮官は久保に要求していた。
「現在のサッカーはハイスピードで攻守が切り替わるため、接触は避けられません。そこで自分をコントロールするためにも、フィジカルレベルを上げる努力が必要です。彼はその点でタフにならなければいけない。レアル・マドリードが期待するだけの技術のクオリティを有しているのですから」
ちなみにヘタフェの代名詞として「アグレッシブで激しいサッカー」と言われることに、ボルダラス監督は以前であれば『軽蔑的』な意味合いが込められていたと受け止めるが、「今では、むしろ誉め言葉だと受け止めています」と胸を張る。
今週末は保有元レアル・マドリードとの今季リーグ“3試合目”。久保に出場のチャンスは訪れるか。19歳のレフティが進化した姿を、ジネディーヌ・ジダン監督の前で見せたい。理想は今季のラ・リーガでのファーストゴール奪取だが――。
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[文:サカノワ編集グループ]