【高校選手権】鹿島加入内定の昌平高MF須藤直輝が圧巻AT2アシスト「前に道が見えた」「みんなの顔が浮かんで」「今も泣きそう」
昌平高校の須藤直輝。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
高川学園戦、主審からラストプレーと言われていた――。
[高校サッカー選手権 1回戦] 昌平 2(8PK7)2 高川学園/2020年12月31日/NACK5スタジアム ※40分ハーフ
全国高校サッカー選手権・初日の12月31日、埼玉県代表の昌平が山口県代表の高川学園に、0-2からアディショナルタイムの2ゴールで追い付き、9人目までもつれたPK戦を制して2回戦に進んだ。
卒業後に鹿島アントラーズへの加入が内定している「10番」須藤直輝は、奇跡を演出する圧巻の2アシスト。しかもラストプレーの同点弾をもたらすFKも、自らのドリブル突破から獲得した。
須藤は試合後、次のようにゴールシーンを振り返った。
「マンツーマン気味にマークを受けて、どこで仕掛けるのか探っていたなか、ちょうど前を向いたら道が見えたのでドリブルを仕掛け、シュートを打つふりをしてパスを出し、(篠田)翼が決めてくれて、練習通りできました。2点目は仕掛けてファウルをもらい、主審から『ラストプレーね』と言われていました。今までたくさん練習したことを披露しようと、自信を持って速いボールを入れれば(篠田)大輝が絶対に決めてくれると思っていて。ここも練習通りでした」
土壇場で同点に追い付いた瞬間、須藤は「頭が真っ白になり、何も考えられなくなって、気付いたらスタンドに向かっていて泣いていました」と号泣した。
そしてPK戦、自身は3人目のキッカーとして成功。5人目で追いつかれるスリリングな展開となったが、同じく鹿島入りが内定している小川優介が9人目のキックを成功させて、決着をつけた。
「162人部員がいて、試合に出られない選手もいるなか、LINEでも頑張れってくれとメッセージをもらい、たくさんの人が応援してくれていて、ここでは負けられない、アイツらのためにも戦わないといけないって。今も泣きそうなんですけれど(苦笑)。アイツらの顔が浮かんで、どうしても勝ちたいという気持ちが2点につながりました」
何より高川学園のクオリティの高さがあってこそ、この好ゲームを生み出した。須藤はそんな好敵手に感謝していた。
「高川学園さんは完成度の高いチームで、こんなにいい試合、燃える試合ができたのは久しぶりでした。高川学園さんのためにも、日本一になります。この経験を活かし、上手くいかない時に修正して、僕らはまだまだいい試合をできるので、しっかり話し合って2回戦につなげます」
昌平は1月2日、徳島ヴォルティス入りが内定している西野太陽、U-17日本代表候補の木原励を擁する京都橘と対戦する。
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[文:サカノワ編集グループ]