【横浜FM】天野純が理想と現実の狭間を打ち破ったラインブレイクと決勝アシスト

横浜F・マリノスの天野純(左、右はユン・イルロク)(C)SAKANOWA

 前節の反省を生かしてラインを修正、運動量の落ちた湘南の背後を「狙っていた」。 

[J1 22節] 横浜FM – 名古屋/2018年8月15日19:00/日産スタジアム

 横浜F・マリノスのMF天野純が前節21節の湘南ベルマーレ戦で、ラインブレイクからのクロスでFWウーゴ・ヴィエイラのヘディングによる決勝点をアシストし、チームの連敗を3で止めるとともに4試合ぶりの勝点3獲得に貢献した。これで天野自身、今季リーグ通算5アシスト目(4得点)だ。

 チームであり、天野であり、試行錯誤を続けて辿り着いた”ゴール”だった。

 前節の川崎フロンターレ戦(●0-2)は、7試合連続で続く失点を食い止めようと、ラインを下げて対応しようとしたものの、むしろ横浜F・マリノスのこれまでの特長も消してしまった。何もできずまさに完敗を喫した。

「より前線と後ろをコンパクトにしようという話は、みんなでしていました。前節はその距離が遠く離れてしまった。今回はそこをできたのは良かったと思います」

 天野はそのように修正点を挙げる。

 前線から最終ラインの間をコンパクトに保ち、できるだけ高い位置で戦おうと試みる。その理想とするスタンスを改めて取り戻したと言う。

 一方、現実的な選択もした。湘南の強烈なプレスに前半は苦しんだ。ただ、そこを凌いだあとの後半、湘南の出足がやや鈍っていると察知。裏のスペースを突ける――そこでチームとして活用したのがロングパスだった。

「もう少しショートパスで崩しかったですけれど、そこができなかった。相手が疲れ、プレスに来れなくなっていたので(スペースが)空いたというのはありましたが、ロングパスが多くなってしまったのは反省点でもあります」

 理想は前半のような相手の強烈なプレスをもいなして、パスで翻弄する。しかし、相手あってこそのサッカーだ。そんなに上手くことは運ばない。

 ただ今回、言い換えれば、それができないときの現実的な「Bプラン」を発動させた。結果にもこだわり、「すごく(スペースが)空いていたので、狙っていました。(背後を突くプレーを)増やしていきたい」(天野)と、一瞬の綻びを見逃さずに突いた決勝点。しかも無失点による1-0での勝点3奪取に成功した。

 それでも天野は決して満足していない。

「内容はまだまだもっと良くなると思います。勝ったことが大事。個人的には、アシストを決められましたけれど、追加点を取れないとこうして苦しい展開になってしまうので、そこは責任を持ってやっていかなければと思います」

 理想と現実の狭間で打ち破った、湘南の最終ライン。天野のラインブレイクは、横浜FMの試行錯誤が導き出した一つの解答であり、「さらに良くなれる」というポジティブな要素をももたらした。前向きな通過点と言える。

 15日はホームで好調な名古屋グランパスを迎え撃つ。チームのスタイルを持つ同士の対戦。横浜FMは湘南戦で見せた対応力の真価が、改めて問われる。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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