埼スタに熱い光景。試合後、神戸DF那須大亮を浦和サポーターが盛大な拍手で迎える

ヴィッセル神戸のDF那須大亮。(C)SAKANOWA

「スタンドに掲げられた4番のユニフォームが見えて」と場内を一周する。

[J1 27節] 浦和 4-0 神戸/2018年9月23日/埼玉スタジアム2002

 90分間を戦い切った浦和レッズとヴィッセル神戸、両チームへの選手に配慮したのだろう。試合が終わり、しばらく経ってからだった。

 浦和のサポーターが選手たちと久々に勝利の凱歌を歌い上げる。浦和の選手たちはロッカールームに下がり、真っ赤に埋め尽くされていた「北ゴール裏」のサポーターも帰宅の準備を始めたとき、ヴィッセル神戸の練習着姿の選手がひとり現れる。

 今季、浦和から神戸に移籍した那須大亮だ。

 おおぉというどよめきの音量が少しずつ大きくなり、盛大な拍手が送られる。

 途中出場しようとスタンバイしていた那須大亮の頭にはヘアバンドが巻かれていた。彼はゴール裏のサポーターの前で深々と頭を下げて、昨オフに退団する際にできなかった感謝の気持ちを伝えた。

 すると、「バックスタンドにも浦和時代の背番号4を掲げてくれているサポーターの姿が見えて、とても嬉しくて」と、那須はゴール裏からバックスタンドへと駆ける。そして南ゴール、メインスタンドと、結局、埼スタをゆっくりと、しっかりと一周して、浦和サポーターに手を振り続けて、何度も頭を下げた。

 神戸ではシーズン序盤に2試合先発し、以降は4試合で途中出場。これまでリーグ戦6試合の出場に止まる。しかし、フアン・マヌエル・リージョ新監督の就任は、那須にとっても、ある意味、チャンスになる。

 超満員の人いきれが一旦収まったあとの埼玉スタでの挨拶。浦和サポーターに温かく迎えられたこの日が、那須にとって、間違いなく一つの区切りになった。”アニキ”と慕われた那須は埼スタで蓄積した経験を生かして、神戸での戦いに全力を注ぐ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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