【鹿島3-0湘南】「もう少し対等に意見が言い合えれば」審判との“対話不足”、山口智監督が指摘
湘南の山口智監督。写真:井上大輔/(C)Daisuke INOUE
GKコーチにイエローカードが提示されたあと、主審とやや激しく口論に。
[J1 29節] 鹿島 3–0 湘南 / 2025年9月13日19:03 / メルカリスタジアム
J1リーグ29節、鹿島アントラーズがチャヴリッチ、濃野公人、さらにレオ・セアラのゴールで、湘南ベルマーレに3-0の勝利を収めた。鹿島は2位に浮上し、首位の京都サンガF.C.と勝点55で並んだ。一方、湘南はリーグ13試合未勝利と泥沼で、降格圏18位から脱出するチャンスをまたも逃した。
湘南の山口智監督は試合後の記者会見で、55分に2失点目を喫しあと、レフェリーと激しくやりとりをしたシーンについて問われた。
テクニカルエリアを出てハーフライン付近まで出て、ファールがあったのではないかと主張した油原丈著GKコーチにイエローカードが出された。そのあと指揮官も主審と対話したが、次第にエスカレートしていった。
山口監督は「審判に関して、思うことは多々あります」として、主審はVARと交信しているということだが、一体どのようなやりとりをして、何ついて協議しているのかなど、何かしら今起きている事象についての説明がほしいと「コミュニケーション不足」を指摘した。
「コミュニケーションの中で、何が起こっていて、何がいま問題点で、なぜ流したのかなど。多少でもあればいいのですが、 映像を待っていて、それについて(VARオペレーションルーム)交信していて、(最後は)自分のジャッジでそう判断した、という説明で終わってしまいます」
指揮官は「僕らはその判断を批判したいわけではなくて」として、「あのシーンで言うと、ファールがあったのではないか、後ろから押されたのではないかというところで、そこでのコミュニケーションの取り方でイエローカードが出ました。ルールはもちろんルールなので理解しているものの、その対話ができないというか……。そこに関して、スタッフも返答がないというのはありました」と言う。
「もちろん、判定が変わるとも思わないですし、そういうつもりはありません。サッカーをゲームとして成立させるために、みんなでそれこそつながりが必要だと思うので、僕はもう少し受け入れてほしいというか、対等に意見が言い合えればいいのかなと思います。それは今日に限ったことではありません。その辺はすごくもどかしさを感じます。コメントするのは難しいですが……、もちろん逆にそうなることもあります。人間が判断する難しさはあると思いますし、そういったことがあったのがあの時間帯でした」
つまり具体的に何について話し合っているのか、確認しているのか、そういった簡単でもいいから説明があってもいいのではないか。VARと確認を取っている、そのうえで得点が認められた――という誰でも理解している協議の流れの説明ではなく、後ろから押していたのでは? という点について、何かしら情報を共有し合えれば、より気持ちよく試合ができるのではないか。
もちろん、今回、GKコーチの行動も問題はあった。とりわけ「キャプテンオンリー」の導入もあり、主審と話すことが“認められない”というような風潮も出てしまっているようだ(試合を円滑に進めるため、決して選手と審判のコミュニケーションが禁止されているわけではなく、FIFAはむしろ対話を変わらず尊重している)。審判から頭ごなしになっているのではないか、という受け止められ方をしている。
J1リーグでは、主審はVARオペレーションルームと様々な情報を共有できるようになった。それだけに事象に関しての情報共有は今後のテーマにもなりそうだ。
読まれている記事>>【サッカー日本代表】北中米W杯 26人“当落予想”。冨安健洋が間に合わなければ…
湘南はリーグ3連敗、しかも13試合未勝利。18位に低迷したままだが、17位の横浜F・マリノスとは勝点25で並んでいる。