【横浜FM対浦和】オフサイド見逃しの誤審、JFA審判委員会「非常に重く受け止めている」
横浜F・マリノス対浦和レッズ戦の判定について説明する佐藤隆治・JFA審判マネジャー。(C)SAKANOWA
角田と牲川の接触は「ノーファウル」の判定を支持も、「そこに集中してしまった」。
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は11月12日、都内のJFAオフィスで今季8回目のレフェリーブリーフィングを行い、最近のJリーグの試合で起きた判定に関する疑問について、実例をもとに解説を行った。
そのなかで、10月18日に日産スタジアムで行われたJ1リーグ第34節の横浜F・マリノス対浦和レッズ戦(4-0)での『VARが導入された試合で、オフサイドが見逃されたのではないか』と指摘されたシーンについて、佐藤隆治JFA審判マネジャー・Jリーグ担当が詳しく説明した。
問題の場面は、横浜FMが2-0とリードして迎えた42分にあった。ジョルディ・クルークスのフリーキックに対し、角田涼太朗とGK牲川歩見が競り合い、牲川はゴールエリア内でボールをファンブル。そのこぼれ球に横浜FMのジェイソン・キニョーネスが反応して足を伸ばしてボールに触れた。直後、クリアを試みていた浦和DF石原広教のキックがキニョーネスの足に当たった。
笠原寛貴主審は石原のキッキングによるファウルと判断し、横浜FMにPKを与えた。そのクルークスのPKが決まり、スコアは3-0となった。だが、リプレーを確認すると、牲川と競った角田の頭にボールが当たり、ゴールライン上でオフサイドポジションにいたキニョーネスがプレーに関与していた。明らかに“戻りオフサイド”が適用されるべき状況だった。
佐藤氏は「本来であればオフサイドで、浦和に間接フリーキックを与えるべきで、期待されている答えではありませんでした。絶対に避けなければいけないことだった」と語った。「非常に重く受け止めています」と述べ、後日、浦和に対して、さらに審判団約70名を対象に説明会を行ったことも明かした。
結果的に「誤審」が起きた背景について、オフサイドの確認を終えたあと、PK自体の判定には問題がないと判断。その後に角田と牲川の接触に「集中してしまった」と分析した。
角田と牲川の接触プレーに関しては「ノーファウルの判定を支持しています」とし、「危険なプレーとまでは言えず、ノーマルコンタクトだとVARも判断したことは理解できます」と、JFA審判委員会としての見解を示した。
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一方で、佐藤氏は一つひとつの事象を『点』で見るのではなく、APP(アタッキング・ポゼッション・フェーズ)から全体を『線』として捉えるべきだったと強調。連続性のなかで起きた反則を確認できていれば防げた可能性もあったと説明した。




