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【鹿島】エース鈴木優磨が語った「僕らの今年の強み」とは? 9年ぶりリーグ優勝につなげた“チャレンジへのリスペクト”

鹿島が9年ぶりにリーグ制覇! 鈴木優磨が優勝シャーレを掲げる。写真:アフロスポーツ

「ひどかったですね」というサイドチェンジのミスキック。しかし、そこからチーム全体の襲いかかるようなトランジションから2点目を奪い切る。

[J1 38節] 鹿島 2―1 横浜FM / 2025年12月6日14:03 / メルカリスタジアム

 J1リーグ最終38節、鹿島アントラーズがレオ・セアラの2ゴールで横浜F・マリノスに2―1 の勝利を収めて勝点76に伸ばし、9年ぶりのリーグ優勝を果たした。主要タイトルは2018年のAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)以来、クラブ通算21個目となった。

「もう本当に他会場の状況や結果は気にしていなかった。誰もそういった話もなく、自分たちの試合にだけ集中していました」

 この日サイドハーフの位置で先発しフル出場したエースの鈴木優磨は試合後、そのように振り返った。

 57分に決まったチームの2点目は、鈴木のサイドチェンジのパスが相手に奪われた。しかし、その瞬間にチームのトランジションのスイッチが入ると、再びボール奪取から畳みかけて、松村優太のクロスからレオ・セアラのヘッドで2点目を奪い切った。

「ひどかったですね」と苦笑いを浮かべた鈴木だが、トランジションが今季のチームの強みだったと語った。

今年のチームは切り替えの部分で、ボールを取って、そこから点を奪い切るシーンが、すごく多かった。監督もそこはチームの強みだと言っていますし、僕たち選手もボールを取られた瞬間に奪い返して、今の前線の力だったら点を獲り切れる自信があります。切り替えの部分はすごく強調されていて、そこは今年の強みでした」

 鬼木達監督のもと、チーム内ではチャレンジするプレーはまず尊重する、という意識も共有されていたそうだ。

「『チャレンジする人のプレーをリスペクトしよう』という話をしていました。あ、ミスをしたな、ふざけるなじゃなくて。ミスったら、その人がまず切り替えて、そこに全員が乗っかるっていうのが今年の良さだった。それが僕たちの強みでした」

 この日の2ゴールは、いずれも相手がチャンスだと捉えて前のめりになった一瞬の駆け引きで、逆襲からネットを揺らした。

 その一瞬の差――。一つひとつの局面で上回っていったことで、鹿島は勝点を積み上げリーグの頂点に立つことができた。

 鹿島のホーム一体となって掴んだ勝利と優勝だった。鈴木は「やっぱり優勝することで、このクラブに行きたいと思ってもらえる。僕自身は、それはすごく大事だと思っています。優勝することで、ああやっぱり鹿島アントラーズに行きたいなと思える。ここ何年か、それが正直薄れていたので、その強さを取り戻すには、いいきっかけの優勝だったと思います。この優勝に触れて、次の世代がどんどん育ってくれる、育ってくれればなと思っています」と頷いた。

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 全試合のピッチに立った鹿島のエースは、まずしっかり休んで鋭気を養いたいという。むしろ安堵したように、鈴木は9年ぶりのリーグ優勝の喜びを噛み締めていた。

Posted by 塚越始