【浦和】安部裕葵が示した“インテリジェンス”。「もっと落ち着きが必要」右サイド攻略の手応えと、浮上への処方箋

浦和の安部裕葵。 写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

81分からトップ下で今大会初出場

[J1百年構想リーグ 地域ラウンド9節]川崎 3–2 浦和/2026年4月5日16:00/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 特別大会「J1百年構想リーグ」地域リーグラウンド第9節、浦和レッズは根本健太と金子拓郎のゴールで終盤までリードしながらも、77分と90+4分の失点で川崎フロンターレに2-3の逆転負けを喫した。PK戦を含め、これで大会4連敗となった。

 安部裕葵は81分、安居海渡に代わってピッチに立ち今大会初出場を果たした。ポジションは“トップ下”。やや低めの位置からチームをコントロールする役割を担った。

「(2-2と追いつかれた状況での投入で)失点してはいけないこと、そして勝たなければいけないこと。その両方を考えて、まずマイボールの時間を増やすことが大事だと思いました。リスクを冒しつつ、徐々に相手コートでプレーし続けることを意識して試合に入りました」

 マチェイ・スコルジャ監督からは、守備面で「相手のボランチにいい状態でボールを持たせないこと」との指示も受けていた。

「トップ下でしたが、少し引き気味のポジションで相手ボランチに自由を与えないようにしました。攻撃面では(肥田野)蓮治と一緒に右サイドを攻略することを考えていました。右に流れながら、(渡邊)凌磨くんも上手く動いてくれていたので、そこは意識してプレーできました」

 また、外から見ていて、ゴール前で“とりあえず”シュートやクロスで終わるシーンが目立ち、アイデアが不足しているとも感じていたという。

「(自身の状態について)自分のプレーというより、途中出場なので展開によって役割を変えないといけない。(外から見ていて)ゴール前でもう少し落ち着きがほしいとは感じていました。ゴールに近づくほど雑になり、クロスかシュートで無理に終えようとするシチュエーションが多かった。ゴール前でゆっくり回すことも必要だったのかなと思います」

 攻撃面では狙い通り右サイドを攻略できた。あと一歩……その手応えはあった。

「右サイドはほぼ攻略できていたのではないでしょうか。クロスも上がっていましたし、あそこまで行けばあとは個人のアイデアや相手のミスが必要になります。僕は低い位置でコントロールしていましたが、本来はアタッカーなので、もう一つ前でアイデアを出す仕事にもトライしたい。ただ、そこで待っているだけではなかなかボールは来ない。今日はその手前の仕事を担いました」

 最後はそうした駆け引きのなかで、決勝点を奪われてしまった。

「とにかく相手コートへ行かなければいけないと思っていました。あそこでゆっくり回す選択肢もありましたが、スローインでセットされた状況で奪われると、あのように失点してしまうこともあります。バックパスでも横パスでも、結局は蹴って一度プレッシャーから解放されないといけない。判断としては間違っていなかったと思います」

 安部は何かを期待させる存在となっていた。それだけに、もう少し出場時間があれば、さらにゴールへ近づけたのではないか――。

「まず相手のゴール前へどういう状態で入っていくかだと思っています。スピードを上げて入るのか、ゆっくり圧力をかけていくのか。じわじわと圧力をかけながら進入するのは(チームとして)まだ得意ではないので、その仕事を担っていきたいです」

 チームを俯瞰して見つめていることが分かる。安部の言葉に、浦和がこの低迷から浮上するためのヒントがありそうだ。

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Posted by 塚越始