【FC東京vs浦和】なぜ8分間も中断したのか? VAR舞台裏をJFAが解説“2分・4分・2分”の判定チェック
佐藤隆治JFA審判マネジャー(C)SAKANOWA
緻密にデザインされたセットプレーは“審判泣かせ”
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は4月8日、2026年第1回のレフェリーブリーフィングを開催した。扇谷健司委員長らが出席し、特別大会「百年構想リーグ」地域ラウンド前半戦における判定の傾向や、議論を呼んだジャッジの舞台裏について詳細な説明を行った。
このブリーフィングは、審判がどのようなプロセスで最終判断に至ったのか、あるいは本来とは異なる判定となった可能性のある事例なども共有され、競技規則(ルール)への理解を深めることを目的に実施されている。
今回焦点となったのがVARの中断時間が長引いたシーンだ。第2節のFC東京対浦和レッズでは、浦和の得点が一度は認められたものの、VAR介入後に約8分間の中断を経て判定が覆った。
佐藤隆治JFA審判マネジャー(Jリーグ担当)は、VARルームでの緊迫した作業工程を「2分・4分・2分」の時系列に分けて説明した。
◎最初の2分間:
・FKから得点までの流れを確認し、キックポイント(ボールが蹴られた瞬間)を特定。
・オフサイドポジションにいた浦和の14番(関根貴大)がボールに触れたか、あるいは相手へ影響を与えたかを確認。
→「接触・影響なし」と判断。
◎中盤の4分間:
・得点した浦和の22番(柴戸海)がオフサイドか否かを検証。セカンドラストディフェンダー(守備側で後ろから2人目の選手)を基準にライン作成を開始。
・VARとリプレイオペレーターの間で「どの競技者に線を引くか」の認識合わせと、実際の3Dライン描画に時間を要した。
・最終的にFC東京の14番の頭の位置に合わせ、基準線を確定させた。
◎終盤の2分間:
・浦和の22番(柴戸)の左肩を基点に3Dラインを引き、コンファーム(確定)。
・オフサイドと結論付け、主審へ報告。
・判定が変更され、得点が取り消された。
メディアからは「10分近い中断は興行面でマイナスではないか」との指摘もあった。これに対し佐藤マネジャーは“正しい判定を下すことが大前提”と強調した上で、「人間が手作業でラインを引く以上、どうしても時間はかかる。だが、少しでも短縮できるよう改善に取り組みたい」と理解を求めた。
また、近年のトレンドとなっている緻密にデザインされたセットプレーも審判泣かせの要因となっている。あえてオフサイドポジションに選手を囮として配置する戦術が増えており、「チェックすべき箇所が複雑化している。百年構想リーグの特徴の一つとも捉えている」と語った。
なお、ライン作成については、足が地面についていれば「2D」も活用できるが、宙に浮いている部位(足の場合も)を計測する場合は「3D」を用いるという技術的な違いについても改めて説明があった。
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