三木谷会長の「消費税減税に未来はない」に三橋貴明氏が猛反論。一方で「ここは、その通り」
天皇杯を掲げる三木谷会長。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ユーチューブで、財源、円安、給付金、利上げなどを約1時間にわたり検証
経済評論家の三橋貴明氏がYouTubeチャンネル『三橋TV』で、ヴィッセル神戸のオーナーでもある楽天グループの三木谷浩史会長兼社長による「消費税減税に未来はない」との主張を取り上げ、約1時間にわたって反論した。
三木谷氏は、食料品の消費税率を2年間限定で1パーセントに引き下げる案について、財源が不明であり、本当に2年後に税率を戻せるのか疑問を呈したという。
三橋氏は、税収の減少額を年間4兆円弱としたうえで、「減税ですから、財源は不要です」と主張。税収が減った分については、国債を発行して政府支出を続ければいいと説明した。国債発行が問題になるのは、政府による支出で需要が拡大し、物価上昇率が5パーセント、10パーセントと高まる場合だと述べた。
三木谷氏が高市政権の「ばらまき政策」を円安の原因に挙げたことにも反論した。三橋氏は、円安が進み始めたのは2022年であり、米国のインフレとFRBの利上げによって日米の金利差が広がり、円が売られたと説明。まだ実施されていない消費税減税を、現在の円安の原因にはできないと指摘した。
一方、三木谷氏が「消費税が1パーセントになっても販売価格はさほど下がらず、企業は減税分を利益として吸収する」と述べた点について、三橋氏は「この辺が非常に示唆的で、その通りだと思いますよ、私も」と同意。「ポイントを突いてますね、三木谷さんね。ここはその通りですよ」とも語った。
三橋氏によると、税率が下がっても、価格をいくらに設定するかは事業者が決める。そのため、減税分のすべてが価格に反映されるとは限らず、消費者への値下げと事業者の利益に分かれるという。事業者に残った分については、「その分、人件費もあるでしょ。人手不足なんだから」と述べた。需要が強ければ、減税されても事業者が価格を下げる必要はないため、7ポイントの税率引き下げに対し、商品価格は3~4パーセント程度の値下がりになるのではないかとの見方も示した。
また、所得制限を設けた給付金のほうがいいとする三木谷氏の主張に対しては、低所得者ほど収入に占める食費の割合が高いため、食料品の減税による影響も大きいと反論。ただし、三橋氏は2年間限定の措置には反対し、実施するのであれば恒久減税にすべきだと主張した。
日銀に利上げを求める意見についても、金利の上昇は企業の資金調達を難しくし、設備投資を妨げると指摘。労働規制の撤廃や外国人労働者、インバウンドの一層の拡大を求める主張にも、データを示しながら反対した。
三橋氏は最後に、大企業では売上高、人件費、設備投資が大きく伸びていない一方、「配当金だけ10倍近くになっている」と説明。むしろ、こうした国を目指していたのではないかと指摘し、「あんたたちの言うことを聞いていたから、こんな事態になったんだろうが」と締めくくった。
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