なぜ移籍期間終了後に契約成立!? 中村敬斗は「ジョーカー」でリヨン加入、フランス独自のルール適用
中村敬斗 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
『レキップ』が明記。フォファナのサンダーランド移籍決定が遅れたため
フランス1部オリンピック・リヨン(OL)への完全移籍が正式決定した日本代表FW中村敬斗(Keito NAKAMURA)は、フランス独自の「ジョーカー(joker)」制度を利用して加入したことが分かった。フランス紙『レキップ』が9月3日(現地2日)、正式発表後に報じた。
フランスの夏の移籍市場は9月1日20時(実際の設定は19時59分)に終了した。中村の移籍はそれまでに完了せず、リヨンは市場の締め切り後に「ジョーカー」の枠を使って獲得した。『レキップ』は、中村が「ジョーカーとして加入した」と明記している。
その背景には、リヨンからサンダーランドへ移籍したベルギー代表FWマリック・フォファナの動向があった。
中村は9月1日の段階ですでにリヨン入りし、メディカルチェックも受けていた。一方、リヨンは資金的にもフォファナの売却決定を待って中村の獲得を進める必要があり、そのフォファナの移籍先決定がデッドラインまで長引いた。地元メディア『Olympique et Lyonnais』も、中村がリヨンでメディカルチェックを済ませながら、フォファナの退団が決まっていなかったため契約できなかったと伝えている。
フォファナは最終的にサンダーランドへの移籍が決まった。しかし中村の移籍に関する手続きは、フランスの移籍市場が閉じる20時までに間に合わなかった。そこでリヨンが活用したのが「ジョーカー」だった。
フランスでは通常の移籍市場が閉じたあとも、リーグ・アンとリーグ・ドゥのクラブが一定の条件下で1人を獲得できる。『レキップ』も中村の正式決定後、この制度について改めて解説し、9月から12月まで新たな選手を登録できる厳格な例外規定だと説明している。
中村はリーグ・ドゥのスタッド・ランスに所属していたため、この国内移籍に関する条件をクリア。リヨンは9月2日に獲得を正式発表し、中村と2030年6月30日までの4年契約を締結した。
移籍金についても、デッドラインデー当日に報じられていた条件から最終的に形が変わった。当初『レキップ』は、200万ユーロ(約3億7000万円)の有償レンタルに約1100万ユーロ(約20億円)の買取義務が付くと報じていた。
しかしリヨンが正式発表した契約は完全移籍で、固定額100万ユーロ(約1億9000万円)に最大1900万ユーロ(約35億円)のボーナスが設定された。さらに将来の売却益の最大12.5パーセントをスタッド・ランスが受け取るセルオン条項も付帯した。『レキップ』も正式決定後、この条件を報じている。
つまり、中村の正式発表がデッドラインデーを越えたのは、単なる発表の遅れではなかった。リヨンはフランス独自の「ジョーカー」を使って中村を獲得したということだ。
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