Jベストイレブン、チャナティップが岩政センパイとの再会を喜ぶ
Jリーグベストイレブンを受賞したチャナティップ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
岩政さんから強いプロフェッショナル意識を感じた。
Jリーグ2018シーズンの各賞を表彰するJリーグアウォーズが12月18日に横浜アリーナで開催され、表彰式のあとの記者会見が行われた。その席で、ベストイレブンを受賞した北海道コンサドーレ札幌のチャナティップが2014シーズンにタイリーグのEECテロ・サーサナでともに戦った、元日本代表の岩政大樹さんの質問に答えた。
岩政さんは「チャナティップ選手の受賞は素晴らしいニュースになると思うが、タイのサッカーのここ数年の変化とアジアカップでのタイ代表に懸ける想いを聞かせてください」と質問。
チャナティップは「こんにちは、センパイ!」と日本語であいさつし、次のように答えた。
「岩政さんとタイで一緒にやっていた時、いつも先輩から、アタッカーは得点を決めるなど『結果を残さないといけない』と言われてきました。その通りだと自分に言い聞かせて頑張り、EECテロ・サーサナではタイリーグ(トヨタ・リーグカップ)優勝を果たせました。それに岩政さんが(契約しているメーカーの)スパイクを持ってきているのを見て、プロフェッショナルさを感じました」
そのようにタイでの思い出を振り返り、2017年からプレーして2年目になるJリーグで実感してきたことも語った。
「日本に来てプレーして、さらに日本人選手のプロフェッショナルな意識を感じてきました。タイ人選手はそうでもなく、コンディションが100パーセントではない選手がけっこういるように感じます」
そして、最後にアジアカップへの意気込みを示した。タイはグループステージ、インド、UAE、バーレーンという強豪と同組に入っている。
「アジアカップの活動として、明日からキャンプが開始されます。難しい舞台ですが、負けたくはありません。タイ人として悔しい想いはしたくないので、一つでも多く勝ち続けたいと思います」
提携国枠から初となるベストイレブン受賞。タイ人選手として、Jリーグの新たなる歴史を作った。日本とタイの架け橋にもなってきた岩政さんとチャナティップの二人にとって、記念すべき特別な日にもなった。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI