【U-20W杯】日韓戦へ負傷者続出の日本を救うのは俺だ!
"特打”の練習で汗をかく原大智。見守る影山雅永監督。写真:松尾祐希/(C)Yuki MATSUO
190センチの大型FW原大智が”特打”で汗を流す。
グループステージを1勝2分の2位で突破したU-20日本代表は6月4日(日本時間5日0時30分)の決戦トーナメント1回戦、U-20韓国代表と対戦することが決まった。しかし現在の日本は怪我人が続出し、厳しい状況に置かれている。
U-20ワールドカップの登録21人は、GK3人と18人のフィールドプレーヤーで構成。グループステージ3試合を終えた現時点で出場機会を得ていないのは、GKの茂木秀(セレッソ大阪)、鈴木彩艶(浦和レッズユース)とMFの喜田陽(アビスパ福岡)。
しかし初戦でスタメン出場した郷家友太(ヴィッセル神戸)はその後コンディションを整え切れず、以降の2試合を欠場。藤本寛也(東京ヴェルディ)と宮代大聖(川崎フロンターレ)も2戦目のメキシコ戦で活躍したが、体調を考慮してイタリア戦を回避した。そんななか、田川亨介(FC東京)が右太もも、斉藤光毅(横浜FC)が左肩を負傷。両者は帰国を余儀なくされた。
どのポジションも、ここからは総力戦だ。FWは特に人材難に陥っている。4−4−2をベースに戦ってきたチームで、宮代らが間に合わなかった場合、FWの選択肢はサイドハーフにも対応できる西川、中村、2試合トータル7分の出場にとどまっている原大智(FC東京)の3人しかいない。とりわけ、CFタイプは原しかおらず、190センチの大型FWに懸かる期待は大きい。
30日のトレーニングで原は、別メニュー調整中の3人、茂木、鈴木彩のGK組とともに屋外でトレーニングに励んだ。影山監督、秋葉忠宏コーチらとみっちり個人レッスンを施され、約1時間に渡ってシュート練習などで汗を流していた。異例の“特打”は指揮官の原に対する想いの裏返しと言えた。
「自分(のコンディション)を上げる機会がなかった。なので、シュート練習でしたけど、身体の部分でも上がっていったので良い時間でした」
本人も充実の時間を過ごしたようで、次戦に向けて準備を進めている。
緊急事態に陥ったFW陣。6月4日の韓国戦はどんなメンバーで挑むのか。原、西川、中村、宮代……日本にとってはピンチかもしれない。しかしアタッカー陣にとっては、むしろ世界に自らをアピールする絶好のチャンスだ。
取材・文:松尾祐希(フリーライター)