マンCからゴール!マリノス遠藤渓太が「誰が決めてもおかしくなかった」とそれ以上に喜んだこと
ドイツ代表ザネと競り合う遠藤渓太。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
三好康児のターン成功。前線の全員にスイッチが入る。
[EJ杯] 横浜FM 1–3 マンチェスター・C/2019年7月27日/日産スタジアム
「GALAXY ENTERTAINMENT EUROJAPAN CUP2019」(EJ杯) 横浜F・マリノス対マンチェスター・シティFC戦、横浜FMの遠藤渓太が意地の一撃をねじ込んでみせた。この1点でマンチェスター・Cは本気度を高め、試合のテンションはさらに高まり、フレンドリーマッチとは思えない”真剣勝負”の時間が続いた。しかし結果は1-3。スコア上は力でねじ伏せられた。
「とてつもないスルーパスを出せる選手が一人いて、それに反応できる選手がいる。そういうところで差を感じました。そこからの一つひとつ。すべてにおいて上回られていた。なおかつ、しっかり負けているので、それに尽きると思います」
試合後、遠藤はそのように敗戦を受け止めていた。一方、「負けて得るものはない、と僕は思っている。でも今日に限っては、ありきたりな言い方になりますが、世界のトップとプレーして良い経験になったと感じています」と、プレシーズンにアジアまで来て疲労も蓄積しているという点を差し引いても、プレミアリーグ連覇中の相手に真っ向から挑んだことで、一つの「指針」を得ることができた。
「戦わないと感じられないことってあるし、ましてこうした世界のトップ選手とやったことで、これからのプレーでの結果につなげたい。ここにボールを置いてはいけない、この間合いでボールを離したらやられるとか、そこが実際にすることで分かりました」
そのなかで23分、波状攻撃から遠藤が右足でシュートをねじ伏せた。
「みんながパスをつないで良い形を作り、最後に自分が決めただけなので、そこはみんなに感謝しています。こぼれ球を決めただけだけれど、もちろん嬉しいし、これを自信につなげたいです」
何より横浜FMがこれまでアンジェ・ポステコグルー監督と追及してきた攻撃の形から決めた一撃。遠藤に得点シーンについて、改めて詳しく振り返ってもらった。
「あそこで(三好)康児くんがいい形で前を向いてくれて、そこから攻撃が始まりました」
中盤の密集地帯で三好がターンをして前を向いた。そこをポイントに挙げた。
三好が前向きになった瞬間、仲川輝人、マルコス・ジュニオール、オーバーラップしていた広瀬陸斗、そして遠藤の前線4人が「いける」と反応し動き出す。そしてパスを受けた仲川、マルコスとシュートを放ち、いずれもGKクラウディオ・ブラボにブロックされたが、最後は遠藤がねじ伏せた。
「誰が決めてもおかしくなかった。そのなかで自分のところにこぼれてきた。それだけのことでした」
とはいえ、マグレのゴールではない。全員でゴールへの道筋をイメージし合い、しっかりとそこへ向かって決めたものだった。
「簡単なゴールだったかもしれないけれど、自分にとって大きなゴールになればいい。それはまだ今は正直分かりません。ここからのリーグ戦につなげられれば。何よりチームの意図した攻撃がとれたこと。それが何よりも一番大きかったです」
浦和レッズ戦(〇3-1)でのゴールに続き、その能力を目に見える「結果」でチームの力に還元できてきた。ジョゼップ・グアルディオラ監督とマンCを本気にさせた一撃。遠藤がさらに飛躍しそうな気配を漂わせている。
[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI
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Title:YOKOHAMA F・MARINOS Keita ENDO scored a goal agaist MANCHESTER CITY.