【浦和】主将の柏木陽介が謝罪する一方「フロントを含め強い軸を作ってほしい」
G大阪戦でゴールを決めた浦和の柏木陽介。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「本当に申し訳ないというか、自分の不甲斐なさを実感している」
[J1 34節] 浦和 2-3 G大阪/2019年12月7日/埼玉スタジアム2〇〇2
J1リーグ最終節、浦和レッズはガンバ大阪に2-3で敗れ、リーグ戦ラスト5試合勝ち星なしでシーズンを終えた。プレーオフ圏の16位の湘南ベルマーレとはわずか勝点1差の14位で、辛うじてJ1残留を果たした。
キャプテンの柏木陽介は4試合連続のスタメン出場を果たし、一時同点に追いつく直接フリーキックを決めた。しかし試合は2-3で内容的には完敗を喫し、またもホームで勝ち星を奪えなかった。
試合後、浦和の背番号10は次のように、悔しそうに語った。
「本当に申し訳ないというか、自分の不甲斐なさを実感して、それでも声援を送ってくれる皆さんに手を振るしかなかった」
「(2019シーズンは?)課題しかない。チームが上手くいっている時は、周りも上手くいっていて、自分も生かせて、生かすことができる。ただ、チームとして戦えないと、自分の良さが出ない、出せない。もちろん、そういうサッカーではなくなってきているというなかで、個人的に結果を出せなくなってきているのは本当に悔しい。そこ(個人で結果を残すこと)を上げていかないといけない」
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌)の時代から、戦い方は変わっていった。苦しい時こそ個人の技量で状況を打開する。それができなかったことに、柏木は責任を感じていた。
「でも、チームだから。チームとしての戦術というところ、戦い方を上げていかないといけない。今日の後半はオープンな展開になりつつも、みんな走れていたし、球際にも行けていた。そのなかでゴールに向かうシーンを作れて、久々に2点を取れたのはプラスだと思います」
「ダメな時は後ろ向きな姿勢になることが、チームとして多かった。だからこそ、レッズが本当の意味で芯の通った強いチームにしていかないといけないと、選手の立場ではあるけれどずっと思っている。選手自体が変えるというより、フロントを含めてそういうところを、軸を作ってほしい。例えば鹿島であれば戻るべき場所があると感じる。浦和レッズに、そういう場所を作っていく一人になっていきたい。そこをつないでいく選手になりたい。そのためには試合に出る気はもちろん強くあるし、まだまだできることを証明していきたい」
柏木をいかに生かすか――。しかし、その前に、戦術を失った浦和のなかで、10番は、自分を生かすべき方法を見失っているようだった。
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[文:サカノワ編集グループ]