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【FC東京×セレス・ネグロス】小田原貴と嶺岸光が雨中のスタジアムで描いた人間模様

試合後にFC東京のサポーターと「シャー」をやるセレス・ネグロスの小田原貴。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

小田原は家族全員がFC東京サポーター、嶺岸は父と母の母国でプロとしてピッチに立つ。

[ACL PO]FC東京2-0セレス・ネグロス/2020年1月28日/味の素スタジアム

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフ、FC東京に敗れたフィリピンのセレス・ネグロスには二人の日本人選手がいた。

 小田原貴は東京都出身で、家族全員がFC東京のサポーターだ。味スタの舞台でFC東京と対戦することは、プロ選手として一つの夢でもあった。

 東京農業大を卒業したあとフィリピンリーグでプロになるチャンスを掴み、現在27歳になるMFは、今回頭に裂傷を負いながらもフル出場を果たした。

 試合後、小田原は自身のツイッター(@dawara11)で次のようにつぶやいた。

応援して頂いたみなさんへ

昨夜の試合での怪我は幸いにも数針縫うだけで済みました。

ご心配おかけしました。

そして試合後にFC東京サポの皆様の前に挨拶に行けた事、東京サポは僕の中で日本1だと再認識しました。

自分の誇りであるクラブが世界の舞台で活躍することを心より応援しています。

 一方、嶺岸光はフィリピン人と日本人の両親を持ち、聖和学園高、仙台大を経て、フィリピンでプロのキャリアをスタートさせた。2016年からはフィリピン代表にも選ばれ、すでに国際Aマッチ12試合(1得点)の出場を果たしている。タイリーグでも活躍したのち今季セレス・ネグロス入り。このACLプレーオフ進出を果たし、母親の母国である日本のピッチに立つ機会を得た。

 嶺岸はツイッター(@hikaruzinyo11)で、次のように悔しさと喜びを吐露した。

「負けました。

ACL出場を逃しました。

昨日は自分のサッカー人生でも1、2を争うくらい特別な試合でした。

日本人の父とフィリピン人の母を持つ自分が

親両方の国でプロサッカー選手として自分の姿を見せれたこと誇りに思いたいと思います。

@CeresNegrosFC @TOKYO12RADIO」

 ACLならではの人間模様が、雨中のスタジアムで描かれた。

 今回は”ゲスト”として迎えられた二人が、東京のピッチに立った。ただ、フィリピンを代表して、「個」も「チーム」も確実に力を付けてきていることを、強く印象付けた。東京のドラマは、世界へとつながっていく。

セレス・ネグロスの嶺岸光。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

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[文:サカノワ編集グループ]

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