原口元気がハノーファーのコーチと大激論した真相を明かす
ハノーファーの原口元気。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
コーナーキックのマーカーを巡り、現場で小さな混乱が生じる。
ドイツ・ブンデスリーガ2部ハノーファー96の日本代表MF原口元気が3月8日、「主張すべきこと」と題して「note」に投稿した。凌げば勝利が決まる相手コーナーキックの場面。そこで起きた現場の混乱を巡り、コーチと激論を交わしたことについて自身の考えを伝えている。
2月15日のハノーファー対ハンブルガーSV戦。1部昇格を争う2位ハンブルクを相手に、ハノーファーは1-0とリードして最後のプレーを迎えた。
ところが90+6分、相手のコーナーキックからヘディングでゴールを決められ、土壇場で追い付かれてしまったのだ。スコアは1-1で試合終了に。勝っていれば上昇気流に乗れただけに、大いに悔やまれる結果に終わった。同時に、こうした詰めの甘さが今季一度も昇格争いに加われずにいるハノーファーの現状を物語ってもいた。
その試合直後、原口がピッチ上でアシフ・サリッチ・アシスタントコーチと激論をかわした。その様子は地元の記事でも取り上げられた。
その「主張」について、原口が今回改めて説明している。
原口がマークについていた相手が交代をしていた。そこで原口は代わって入った22番のマーティン・ハルニックのマークに付くよう指示が出ていた。しかしCKの際、他の選手が「あれ、俺が22番のマークに付くはずだぞ?」と言ってきた。
そこで少なからず混乱が生じ、原口はストーン役になった。ところが、ボールは原口の頭を越して、ノーマークだったヨエル・ポーヤンパロにヘッドで決められてしまったのだ。
この対戦のために相手チームについて何時間もかけて分析しているスタッフ陣を尊重し、セットプレーのマークは、コーチの指示通りに付くようにしている。ただ、それがこの一瞬で台無しになってしまった……。そこで、そのマークが徹底されなかったことについて、コーチと激しい口論を交わしたそうだ。
原口は「神は細部に宿る」という言葉を用いて、細部まで突き詰めているチームは強いと語る。
また、次のように持論も展開している。
「幸いにして、ドイツではチームが良くなるために、積極的に議論したり、意見をしたりすることは当たり前になっている。逆に、何も主張しなければ、その人はチームが良くなるために何も考えていないと見なされてしまう。衝突したり、議論をすることにはもちろん、パワーもいる。ときに反発も受ける。もちろん、僕も、今回の経験から、メッセージを伝えるタイミングや、伝え方にはもっと工夫をしていかないといけないと感じた」
コーチとの議論の内容など、詳しくはその「note」に書かれている。
ドイツに渡って6シーズン目。すべてに全力を尽くす原口は、その異国ではあるが議論でも”真剣勝負”が求められる環境のなか、今なお切磋琢磨を続けている。
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[文:サカノワ編集グループ]