森保監督の”秘蔵っ子”浅野拓磨は「求められているものがハッキリ分かった」
日本代表の浅野拓磨。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
伊東純也の3点目の起点になる。
[キリンチャレンジカップ] 日本 3-0 コスタリカ/2018年9月11日/パナソニックスタジアム吹田
日本代表のFW浅野拓磨は後半途中から出場し、試合終了間際の伊東純也のゴールにつながるパスを放った一方、自身は83分に鋭いシュートを放ったものの無得点に終わった。アタッカー陣が揃って好パフォーマンスを見せるなかで結果を残せず「満足はしていませんが」と悔しさを見せつつも、サンフレッチェ広島時代の恩師でもある森保一監督から「求められるものがハッキリしました」と、収穫を手にしてドイツへと向かった。
浅野は68分から小林悠と交代出場し、日本の最前線に立った。持ち味である瞬時にトップスピードに入る鋭いアタックから何度かチャンスを作り出し、個の特長は示せた。それでもノーゴールに終わっただけに、試合後はやや複雑な心境を語った。
「今日新しい代表チームが始まり、いいスタートを切れたと思います。個人的には森保さんが僕に求めてくれていることが、ハッキリしました。与えられた役割を100パーセント果たすことを考えましたし、再びチャンスがあれば、しっかりその役割を果たしたい。(結果を残せず)悔しさはありますが、日本代表の新しいスタートラインに立てて嬉しかったですし、スタートとしては本当に良かったと思います」
90+3分のアディショナルタイムの伊東のゴール。浅野がしっかりタメを作って放ったパスが起点となった。そのシーンについて浅野は、逆に彼へパスをつないだ遠藤航に感謝をしていた。
「それまでに何度かボールを収めるべきところがあったので、このままではいけないと感じていました。僕への航くんがいいパスを出してくれたので、そこからタイミングを合わせて崩していけました」
2013年から16年途中まで在籍した広島時代、森保監督の下でプレーし、アーセナルへの移籍を果たした。そしてシュツットガルトを経て、今季原口元気とともにハノーファーに加入。開幕からリーグ戦のスタメン出場を続けている。
恩師のもとでキッカケを掴んだ浅野が、再びドイツでの挑戦の日々に戻る。新天地でもまだリーグ戦は無得点。これから恩師の期待に応えていくためにも、まず彼に求められるのは、やはりゴールという結果だ。
取材・文:塚越始