Jリーグ再開へ最低あと1か月準備が必要。専門家の賀来氏が提言
果たしていつJリーグ再開は迎えられるのか?写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
刻々と変わる状況。ヨーロッパの感染爆発でより慎重な対応が求められるステージへ。
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と一般社団法人日本野球機構(NPB)が合同で立ち上げた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第4回会議が3月19日に行われ、会議のあと、Jリーグの村井満チェアマン、NPBの斉藤惇コミッショナー、そして「専門家チーム」の賀来満夫氏(東北医科薬科大医学部)、三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院)、舘田一博氏(東邦大医学部)が記者会見を行った。
今回は村井チェアマン、斉藤コミッショナーから、リーグ再開や開幕に向けた具体的な話はなく、さらに再開が伸びる可能性が示唆された。村井チェアマンは冒頭、「余談を許さない状況になっている。地域によっては改善がみられるなか、今後に向けて検討していかなければいけないと考えています」と語った。
そうしたなか賀来氏は欧州など世界の傾向を踏まえたうえで、Jリーグやプロ野球の試合開催について、クラスターが起きる可能性が高いため、4月上旬予定の再開・開幕について、遅らせるべきだと提言した。
「最近はイベントなどのクラスター以外で、状況が認識されていないなかで発生した患者もいます。また、一堂に会する球場やスタジアムのみならず、その前後でも人が集まるなど、リスクが高まる可能性があります。早期開催は非常に難しい。できるかぎり、日時は遅らせていただきたいという意見をさせていただきました」
そのようにJリーグは4月3日再開を目指しているが、遅らせるべきではないかと提言した。
あくまでも「延期ありきではなく、各論のなかでは、感染者が出た場合にどうするか」(三鴨氏)について、より議論を深めたという。特に、首長など行政との連携の重要性について話があったという。
そのように対策を練ったうえで、賀来氏は「4月に入ってどうなるのか状況がはっきりしません。ただ4月の遅い時期にある程度目標を定めながら、その間に1か月、状況の変化はありますが、十分な準備期間として充てていただきたい。もちろん、決めるのはそれぞれになりますが、できるだけ4月の後半にという意見はお伝えしました」と語った。
そうした状況を受けて、村井チェアマンは2週間単位で区切り、リーグ再開について考えていると語った。
「日々刻々と状況が変わり、長期の見通しをすることが難しくなっています。Jリーグとしても、4月3、4、5日を次のタイミングと捉えていましたが、25日の実行委員会の議論次第ですが、今は私の予断を持って伝えることは難しい状況です。仮に4月上旬が難しい場合は、4月18日、5月2日と、2週間単位でシミュレーションで検討しています」
そのように現状では4月3日再開が”濃厚”とは言えない状況を示唆していた。
ドイツでは、年内のサッカー開催は難しいのではないかという専門家の意見も出ている。世界の動向も今後は少なからずかかわってくる(東京オリンピック開催も合わせて)。
4月25日の実行委員会でどのような結論が出るのか。まず見守りたい――。
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[文:サカノワ編集グループ]