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【鳥栖】カレーラス監督解任の違約金は『なし』。竹原社長「さすがに厳しい契約に」

鳥栖のルイス・カレーラス前監督。(C)SAKANOWA

2年連続で外国籍監督が契約途中で退団。経営面への影響は?

 J1リーグのサガン鳥栖(株式会社サガン・ドリームス)は4月26日、16期の事業実績説明会を開催し、竹原稔社長がメディアに対し、2019年度の決算について説明するとともに、新型コロナウイルスによるリーグ中断が続くことでの経営への影響について語った。

 そのなかで、2018年のマッシモ・フィッカデンティ元監督(現・名古屋グランパス)に続き、昨季、ルイス・カレーラス前監督も解任され、2年連続で外国籍監督の退団が続いた(いずれもキン・ミョンヒ氏が後任に)。そのカレーラス元監督の違約金も、クラブ経営を圧迫させる要因になったのではないか? その問いに、竹原社長は次のように答えた。

「それはかかりませんでした。さすがに、厳しい契約を私たちも年々するようになってきました。今回、そういったコストは出ていません。逆に、こうした場合はこのように解除できるという契約も組んでいました」

 チーム人件費は2018年度が25億7600万円、19年度が24億2707万円。あまり変わっていないものの、カレーラス前監督への違約金は、基本的にはかからなかったという(今季への影響はないそうだ)。

「監督を代えていくことが、いいとはまったく思っていません。ただ、監督が代わると選手も代わる、というロスをいかになくすかを考え、強化部とも話し合っています。そのなかでピックアップした選手を獲得できるように。育成の段階からスタイルを変えず、そこで足りない選手を獲得し、あるいは引き立てられる監督に指揮をしてもらう。その移行時期にあったと考えていただければと思います」

 現在はクラブとしての過渡期であると、竹原社長は強調した。

 ただ、スポンサー獲得には苦心している。新たなパートナーを見出すことができそうだが、今回の新型コロナウイルスの影響によって、正式発表には至らずにいるということだ。

「ビッグスポンサーを獲得するのは、なかなか難しいと感じています。上場企業やスポーツに興味のある様々な150社ほどに営業活動し、サッカーが好きな人、スポーツの力を信じる経営者の方は多いのですが、『なぜ鳥栖なのか』というストーリー性をもたらすには、本社が東京であると難しさがあります。再度、佐賀から世界に発信することでトライし、育成型クラブとして、構築を目指していきながら、若手を育てる新たなキーワードで、スポンサー企業を探していきたいと思います」

 あらゆる手を使ってクラブを存続させる――。竹原社長はそのように語った。鳥栖はこの難局をどのように乗り越えるのか。

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[取材・文:塚越始]

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