久保建英の来季復帰に道筋。レアル・マドリードが4選手「120億円」の売却をさらに目指す
久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
深刻な経営危機のなか、課題の人員整理に「成功」。ハメス・ロドリゲスはエバートンへ。
スペイン1部リーグのレアル・マドリードがこのオフ、「補強」ではなく「売却」を進め、ここ数年の課題だった人員整理を一気に進めている。
新型コロナウイルスの影響で全世界の経済が一旦停止し、サッカー界も活動が止まった。リーグ再開後は無観客試合が続き、新シーズンもスタジアムの満員を目指しての開催は難しい状況が続く。欧州の移籍マーケットでは、特に高額なサラリーを受け取る選手の動きが限定的な中、レアル・マドリードは有望なタレントを着々と売却してきた。
スペインメディア『アス』によると、昨季はトップチーム26人、レンタル11人、計37人とトップ契約を結んでいた。その整理を徹底的に行う作業は、これまでのところ「成功している」と伝える。
昨季までボルシア・ドルトムントにローン移籍していたアクラフ・ ハキミをイタリア・セリエAのインテル・ミラノに4000万ユーロ(約50億5000万円)で売却。8月末にはCDレガネスに期限付き移籍していたオスカル・ロドリゲスをセビージャFCに完全移籍させ、1500万ユーロ(約18億9000万円)を得た。
他にもハビ・サンチェスをレアル・バリャドリード(レンタルから完全移籍に切り替え)、ダニ・ゴメスとホルヘ・デフルートスをレバンテUDに完全移籍で売却し、850万ユーロ(約10億6000万円)の利益確保に成功した。
そして久保建英のビジャレアルCF、ヘイニエルのボルシア・ドルトムントに続き、ブラヒム・ディアスのACミランへの期限付き移籍が決定した。そのレンタルフィーも久保の250万ユーロ(約3億2000万円)など確実にプラスをもたらしている。
また、最大の課題の一人だったコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスが、イングランド・プレミアリーグのエバートンFCに加入することが決定的になった。あとはメディカルチェックを残すのみとなった。
レアル・マドリードの所属選手で、去就が未定なのはあと4人。ガレス・ベイル、セルヒオ・レギロン、ボルハ・マジョラル・モジャ、マリアーノ ディアスだ。
クラブは彼らを売却することで、1億ユーロ(約120億円)を得たいと考えているという。とはいえ、ベイルは買い手がつかず、このまま残留する可能性も高まっている。ジネディーヌ・ジダン監督の恩を仇で返すような様々な騒動で話題を集めてしまったウェールズ代表のアタッカーだが、雑念を払い「白い巨人」での戦いにしっかり集中できれば、間違いなく脅威の存在になるはずだが……。
人員整理が進んだことで、1年後、久保がレアル・マドリードに戻りやすい環境は整ったと言える(久保のみではないが)。19歳の日本代表が、ビジャレアルでしっかり結果を残せるか――。多くの人の期待を集めて戦うシーズンが、いよいよ次週、開幕を迎える。
久保の所属するビジャレアルは9月13日(日本時間14日1:30)、岡崎慎司の所属するSDウエスカと対戦する。DAZNにて生中継で配信される。
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[文:サカノワ編集グループ]