【鳥栖】VAR採用でPK増加へ、新エース林大地は金明輝監督の後押しに「覚悟を固めていた」
サガン鳥栖の林大地が開幕戦で決勝PKを突き刺す!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「数的不利であっても相手をなぎ倒していく。アイツ違うなと思われるようなプレーを見せていきたい」
[J1 1節] 湘南 0-1 鳥栖/2021年2月27日/レモンガススタジアム
J1リーグ開幕戦、サガン鳥栖のFW林大地がVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックを経て得たPKを突き刺し、これが決勝点になった。大阪体育大から加入した昨季、いきなりチーム最多の9ゴールを奪取。今季は鳥栖のエースとして期待を集めるプロ2年目の背番号「8」は、金明輝監督からもこの大事な一戦でのPKキッカーに“任命”されていたことを明かした。
林は試合後のオンラインによる記者会見で、次のように語った。
「今日はミョンヒさん(金監督)から『PKになったらお前が蹴れ』と、自信を持つように後押ししてくれていました。VARが採用された分、PKが必ず増えるから、いつでも蹴られる覚悟をしておけと力強く言ってくれて、僕も覚悟を固めていました」
例えばVARが採用された2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)では、前回大会よりもPKが29本と9本も増加。日本代表もコロンビア代表戦の開始早々、VARチェックを経て、ハンドによるPK獲得に加えて相手選手が退場となったシーンは記憶に新しい。さらにその後もルールは複雑かつ細かく設定されている。
一方、林は昨年PK2本を蹴り、1本外していた。金監督の後押しは、その昨年から残っていた負のイメージを払拭する意味合いもあったに違いない。それだけに林にとっても、大きな1点となった。
林も「今日はど真ん中に蹴ったろうと思っていました」と振り返る。
ゴール中央の上を突くという何とも度胸の据わった豪快な一撃。鳥栖に勢いをもたらしそうな、2021年のファーストゴールになった。
「1年目はキャンプも練習もすごく必死でした。この先どうなるのか……と思っていました。今年ももちろん必死でしたが、そのなかでふと周りが見えるようになってきました。(少し落ち着きも感じられるが?)試合の中で出せてきたことが、そのような風貌にもつながってきたのかな? と思います。今日は相手からも研究されているように感じました。そこで一瞬のプレーで点を取ること。数的不利であっても相手をなぎ倒していく、アイツ違うなと思われるようなプレーを見せていきたいです」
林は決して満足していなかった。ただ、まず1点を取れたことを素直に喜び、そしてさらに勝利を貪欲に欲していた。現在23歳、2021シーズン注目のストライカーだ。
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[文:サカノワ編集グループ]