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中断7分30秒は「3つのハンド」をVARチェック。OFRすべきだった?広島2-1C大阪

広島の荒木隼人(2019年5月撮影)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

浅野雄也がカウンターから決勝弾。荒木隼人のブロックに加え、佐々木翔、川辺駿も対象で――。

[J1 15節] C大阪 1-2 広島/5月23日15:00/ヤンマースタジアム長居

 J1リーグ15節、サンフレッチェ広島対セレッソ大阪の59分、カウンターアタックに持ち込みジュニオール・サントスの豪快なドリブルからのスルーパスを浅野雄也が仕留めて、これが決勝点に――。広島が2-1の逆転勝利を収めた。

 しかしこのシーン、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックにより、試合が再開されるまで「7分30秒」にわたり試合が中断された。実際の判定について議論するDAZNの人気コンテンツ『Jリーグジャッジリプレイ』で、この場面が取り上げられ、日本サッカー協会(JFA)S級審判インストラクターである廣嶋禎数氏が詳しく解説をした。

 まず遡ると広島ゴール前でシュートブロックした荒木隼人の背中から腕にかけてボールが当たっているように見え、DAZNの中継でも、そこのシーンについてVARチェックをしていると中継された。

 さらに、そのあとの一連のなかでも、佐々木翔の左肩あたりに当たったシュートブロック、そして清武弘嗣のキックが川辺の腕に当たって広島ボールに切り替わった場面――。そこもハンドのファウルがあったのではないかとチェックが入り、主審に確認を取っていたということだ。

 特に最初の荒木のブロックについて、廣嶋氏はハンドと判定されても仕方がなかったという見解を示した。ただしハンドのファウルは、主観も影響するため、最も近い位置で見ている主審の判断がより尊重される。そのため廣嶋氏はノーハンドの判定にも理解を示していた(VTRで見る限り、ボールが腕に当たっている断定もできず、やや不明瞭な画像だったため、ハンドで妥当と言い切っている点も少し気になった)。

 また、ジュニオール・サントスに対する完全に後方からファウルにいっていたダンクレーのタックル、浅野の飛び出しへのオフサイドの有無などもチェックの対象に挙げられる。ハンドのファウルに関しては、プレーが途切れていなければ全てのシーンがチェック対象になるとのことで、非常に“VAR泣かせ”のシーンになった。

 一方、浅野のゴールが決まったのは58分25秒で、主審がゴールと認定したのは64分25秒。さらにそこからC大阪の選手たちの抗議を受けて主審が説明。試合が再開されたのは65分55秒で、実に7分30秒もの間、試合が中断された。

 番組に出演したJリーグの原博実副理事長はスタジアムにいる観客への配慮も必要であり、施策を検討していると説明。また、時間が掛かるのであれば、主審がピッチ脇に置かれたビデオを使うOFR(オン・フィールド・レビュー)で一気に確認するほうが早いのではないか、という提案もあった。

 結局、アディショナルタイムは「10分」に。本来“ボーナス”的な意味合いのある追加時間だが、VARが介入することで伸びる傾向にある。世界的にはできるだけオンザボールの時間を長くしようという流れにあるが、飲水タイムを含め、Jリーグはまとまった“間=中断”が多い。観る者が慣れて、現場でも改善を試みていくしかないか。いろいろな課題の詰まった中断シーンとなった。

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[文:サカノワ編集グループ]

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