【神戸】田中順也が古巣・柏からゴール。しかし「上回られてしまった…」と漏らした悔恨
古巣の柏からゴールを決めた田中。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ルヴァンカップでウェリントンらアタッカー陣に”当たり”。田中も勢いに乗れるか。
ヴィッセル神戸の田中順也が3月30日のJ1リーグ5節、古巣の柏レイソル戦でゴールを決めた。今季2点目。先制された直後に藤田直之のCKにヘッドで合わせて、1-1に追い付く貴重な同点弾だった。だがその後、失点して敗戦を喫した。
「勝てれば最高でしたけれどね。相手の戦術が十分に分かっていたが、上回られてしまいました。隙を与えてはいけなかったのに、自分のサイドから崩されて……。完全にやられてしまいました」と、田中はゴールよりも決勝点となった柏の2点目に絡んでしまったことを悔やんでいた。
「戦術の面は改善されてきています。ただ、上手く守られてしまった。(柏は)ラインアップがすごく早い組織されたチーム。上手いな、って思いました。だからクオリティを上げていかなければいけない。どんどん裏を取っていかないと。そのためには継続することが大事」
そのように田中は敗れて悔やみながらも、中盤のパスワークを生かしてウイングが仕掛けるという神戸とスタイルの似る柏から”得るもの”があったと感じていた。
「僕らのほうがボールを保持することができていても、もっと相手が嫌がるような回し方をしていきたい。どんどん、ずれていかないと相手は怖くない。敵陣に差し込んでいくパスを混ぜていかないと、戦術の深みも出せませんから。ロングボールを使い、逆サイドを突く展開も少ない。スピードアップのスイッチをどこで入れるのかも課題」
苦しみながらもセットプレーから得点を奪えるのは神戸の強みとも言える。セットプレーのキッカーも、そして競り合いに長けるアタッカーも揃う。
「決定的な形までなかなか行けずにいただけに、セットプレーから追い付けたのは狙い通りでした。ウチの強みですから」
そうした武器も再確認できた。
そしてターンオーバーで臨んだ4月4日のルヴァンカップ・湘南ベルマーレ戦は3ゴールを挙げて快勝を収めた。相手チームも大幅にメンバーを代えており、リーグ戦とはシチュエーションが異なるものの、ウェリントン、渡邉千真が得点を決めてアピール。連戦中のチームにとって、攻撃陣に”当たり”が出てきたのはポジティブな要素だ。
田中も古巣からの一撃をきっかけに迷いを突き抜け、チームに勢いと勝利をもたらしたい。このあと神戸は4月8日、リーグ6節・G大阪との関西ダービー(15時、吹田)を迎える。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI