鳥栖の“伝説”FW豊田陽平が栃木に完全移籍「その気持ちに応えるには、泥臭くても、勝負にこだわり続け、ゴールにこだわり続ける姿を見せること」
豊田陽平。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
12シーズンプレー、J1昇格、ベストイレブンも受賞。
J1リーグサガン鳥栖のFW豊田陽平が7月5日、J2リーグ栃木SCに完全移籍することが発表された。鳥栖で通算12シーズンプレーし、クラブのJ1昇格に大きく貢献し、そしてJ1で戦い続けるチームへと定着させた第一人者。36歳での大きな決断を下した。
豊田は次のようにコメントしている。
「いつもサガン鳥栖へ、どんな時でも熱い熱い応援をいただき、ありがとうございます。
この度、豊田陽平は栃木SCへ完全移籍する決断をしましたことを報告させていただきます。サガン鳥栖でプレーして12年。J2得点王、J1昇格、Jリーグベストイレブン、日本代表選出など多くの経験と成長がサガン鳥栖と共にありました。
そしてサガン鳥栖で過ごした全ての時間が特別なものであり、どんな時も自分の背中をしっかりと押してくれたのはサガン鳥栖サポーター皆さまの存在でした。サガン鳥栖サポーターの皆さまと共に味わった感動の日々は、どんなに苦しい時でも正々堂々と真っ直ぐに進んで行きたい自分の気持ちに寄り添ってくれるものでした。
そんな思いを背負ってプレーできた自分は本当に幸せでしたし、これからも皆さまと共に喜びを分かち合っていきたいと思う気持ちは変わりません。ただ自分自身がその気持ちに応え、表現ができるのは、最後の最後までピッチの上で戦い続け、泥臭くても、勝負にこだわり続け、ゴールにこだわり続ける姿であるとも思っています。
皆さまに支えてもらった日々の ことを考えるとこれまでにないくらい苦渋の決断ではありましたが、皆さまの思いを感謝に変えて、プロの世界の中で戦い続けていきたい、自分自身を表現し続けていきたいと思い移籍を決意いたしました。
本当に大きく大きく成長をさせてもらっ た皆様に感謝の気持ちしかありません。そしてまだまだ言いたいことも伝えたいこともたくさんあります。ですが、これからの 自分自身の姿を見てもらうことで豊田陽平からの気持ちを受け止めていただければありがたいです。
最後に、サガン鳥栖を愛してくださる皆さま、本当にありがとうございました」
また、株式会社サガン・ドリームスの福岡淳二郎社長は次のように今回の移籍について説明している。
「この度のサガン鳥栖豊田陽平選手の完全移籍に関し、まずはクラブを代表して感謝とお礼の気持ちを伝えます。『全ては鳥栖のために。』の言葉どおり12年もの間、いつもサガン鳥栖の顔としてクラブ・チームを支え、クラブ設立以来のファン・サポーターの念願であったJ1への昇格の原動力となってもらいました。
J1昇格後も、私たち佐賀県民をはじめ筑後地区そして全てのサガン鳥栖ファン・サポーターや応援してくださるスポンサー等の皆様に、夢と感動そして希望を 与えてくれたことに心から感謝いたします。また、ピッチ上では常に選手達の先頭に立ち、勝負にこだわり貪欲にゴールを狙い続ける姿、最後まで諦めずボールを追う姿は、今のサガン鳥栖の代名詞『ハードワーク・チームワーク・クラブワーク』に繋がっています。
今後、ステージは違えども新しい地での貪欲にゴールを目指すプレーに期待しています。遠く離れた ところからではありますが、精一杯応援させていただきます。12年間、サガン鳥栖を支えていただき、本当にありがとうございました。 また、クラブとしてはこれからも引き続き、『サガン鳥栖らしさ』を見失わず、地域に愛され・親しまれるクラブづくりを進めて いきたいと思います。皆様におかれましても、引き続き応援をよろしくお願いいたします」
豊田は1985年4月11日生まれ、石川県出身の36歳。185センチ・79キロ。星稜高校を卒業後、名古屋グランパスに加入。その後、モンテディオ山形、京都サンガF.C.を経て、2012年、鳥栖に加入。韓国Kリーグ蔚山現代FCへの2018年の半年間の期限付き移籍を挟み、サガンで通算12シーズンプレーしてきた。今季J1リーグ3試合、ルヴァンカップ3試合に出場。2008年北京オリンピック日本代表。日本代表通算8試合・1得点。
注目記事:【鳥栖】FW豊田陽平が「後日大事なお話があります」
[文:サカノワ編集グループ]