【フランス戦】三好への悪質な反則で一発退場!VARが発動する「4つ」のシチュエーション
フランス戦、三好康児が日本の3点目を奪取!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
主審がVARから「レッドカードの可能性」を伝えられ――。
[東京五輪 GL3節] 日本 4–0 フランス/2021年7月28日/横浜国際総合競技場
東京オリンピックの男子サッカー・グループリーグ(GL)の第3戦、日本代表対フランス代表は、久保建英、酒井宏樹、三好康児、前田大然のゴールで、日本が4-0の勝利を収めた。
この試合、敗戦の可能性が次第に高くなるなかフランスの選手たちの集中力が低下。そして日本が3-0とリードした72分、ランダル・コロ ミュアニが、3点目を決めた三好康児が右サイドで踏ん張ってボールをキープした際、後方からふくらはぎを踏みつけるファウルを犯した。
主審のイバン・バートン氏(エルサルバドル)は一旦イエローカードを提示する。しかし、そこで今大会全試合で採用されているVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)から連絡が入る。
「レッドカード(一発退場)の可能性あり」
VARは主審に確認を取り、ビデオで自身がチェックするOFR(オン・フィールド・レビュー)を推奨。主審はそれに応じ、ピッチ脇のモニターで映像を確認した。
そして、ランダル・コロ ミュアニのファウルをビデオでチェック。主審はイエローカードを取り消して、レッドカードを提示した。
何か反論するランダル・コロ ミュアニに対し、バートン主審はかなり厳しい口調で、許されない行為であると伝えている。
改めて、VARが介入する事象を整理したい。
VARはこの4点について、主審の「重大な見逃し」がないかを追っている。
1)得点かどうか
2)PKかどうか
3)退場かどうか
4)警告・退場の人間違い
また、あくまでもVARは主審と審判団のサポート役。「最小限の干渉で最大の利益を得る」ことが哲学で、「明白な間違い」をなくすことが最大の狙いである。上記の4点で、間違いの可能性が高い場合、VARが主審に伝える。
そういう意味では、今回のランダル・コロ ミュアニのファウルは、そういった悪質な行為は見逃さない、という審判団のメッセージも込められていたと言えた。
すなわち、得点とは関係ない場面(コーナーキックかゴールキック、スローインなどの判定ミス)、イエローカードかどうか、などについては関わらない。ちなみに、プレーが再開されてしまった場合は、前のプレーを裁くことはできない。
日本では今季、J1リーグとルヴァンカップの決勝トーナメント(プライムステージ)、スーパーカップの計394試合で採用されている。
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[文:サカノワ編集グループ]