【日本代表】現実的メンバー予想。大迫勇也ら無理は禁物だが…W杯最終予選へ発表近づく。中国戦はまさか
カタールW杯アジア最終予選初戦、オマーン戦の“現実的”予想布陣。(C)SAKANOWA
サプライズがあるとすれば斉藤光毅、岩田智輝!? 2トップも試す価値あり。
日本代表がカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の戦いをスタートさせる。9月2日にホームでオマーン代表、7日にアウェーで中国代表と対戦する。日本サッカー協会(JFA)によるメンバー発表が間もなく行われる。AFC(アジアサッカー連盟)の決定により、パンデミックの影響を考慮し、中国戦はカタールで開催されることになった。
東京オリンピック組はそれぞれの所属チームに合流したばかり。また8月31日が移籍のタイムリミットで、堂安律(PSVアイントホーフェン)、鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)、南野拓実(リバプールFC)ら、動向がやや見通せない選手もいる。
一方、古橋亨梧はセルティックFC、川辺駿はグラスホッパー、原口元気はウニオン・ベルリン、林大地はシント=トロイデンVV、久保建英はRCDマジョルカ、三笘薫はユニオン・サン=ジロワーズ、田中碧はフォルトゥナ・デュッセルドルフ、板倉滉はシャルケ04、そしてエースの大迫勇也はヴィッセル神戸、酒井宏樹は浦和レッズに移籍したばかりだ。
欧州組の選手はシーズン開幕を迎えたばかりで、再びコロナ禍の懸念も広まるなか慎重な対応が求められる。今回、JFAや森保一監督らが各クラブや選手の意向を聞いたうえで、メンバーを招集することになる。
それだけに発表されるまで、どのような顔触れになるのか、まったく分からない。日本とカタールでは時差も6時間あり、加えて感染症対策の観点からも、ホーム(国内組)とアウェー(欧州組)での“2チーム招集”もあるか?
そうしたなか一つ気になるのが、森保監督のオーバーワーク気味の起用法だ。
5・6月シリーズでは、連戦で起用された大迫が負傷。結局途中離脱を余儀なくされた。五輪本番直前には守備の柱だった冨安健洋も負傷し、肝心の試合で欠場した。
もちろんアクシデントであり、防げたかどうかは分からない側面もある。が、主力選手を五輪本番で中2日6連戦で先発で起用し続けるなど(直前の親善試合を含めると8連戦だった)、「信頼」の表裏一体で、一部選手に尋常でない負担がかかり、結果、勝負どころでパフォーマンスを引き出せなかった。
FIFAランキングは日本が24位、オマーン79位、中国71位だ。もちろんオマーンのフィジカルは「欧州+アフリカ」のいいところどりと言える強さと柔軟さを備えるだけに警戒され、中国は国内リーグの転換期を迎えるなか脅威も増す。これまでとは数段階グレードが上がる相手であるのは事実だ。それでもやはり「実績」も大切だが、コンディションや「対相手」で見た選手やグループの特長の活用(東京五輪ではそういった視点を欠いていた)、そして現在の勢いなども加味した選考も期待したい。
環境を変えたことで必然的に様々な心身の負荷がかかっている大迫らに、ここでさらなる負担を強いるべきなのか、過去を踏まえ十分な協議が必要だろう。酒井も五輪から浦和へと常に緊張を強いられる戦いを続けている。例えば2連戦のどちらかに集中させるなど、何かしらの配慮もあっていいか。
前線であれば、クラブとの調整が問題なければ古橋、東京五輪では出場機会を得られなかったが中断明けのJリーグで爆発する前田大然(横浜F・マリノス)は楽しみである。彼らを軸にする戦いをも模索していくタイミングにもなり得る。
また、東京五輪日本代表にも言えたが、代表チームで森保監督は2トップを採用してきていない。チーム立ち上げから、2列目の豊富なタレントを生かそうしてきたわけだが、最近は左MF、トップ下ともに、圧倒的な存在が限られてきている(鎌田も現状、フランクフルトで絶対的ではなくなっている)。
オナイウ阿道、大迫、前田、上田綺世、林、浅野拓磨、南野……。今回の招集の有無に問わず、これからの戦いでも組み合わせによって破壊力、役割に変化を付けられるだけに、2トップも選択肢に加えておくべきではないか。
「サプライズ招集」があるとすれば、ベルギー2部のロンメルSKの斉藤光毅か。チームの開幕ゴールに続き、2節でも自ら得たPKを決め、すでにリーグ2ゴールを記録。久保と同い年の20歳で、横浜FCユース時代から能力を高く評価されてきた、ゴールをも積極的に狙っていくドリブラーにも自信を持つアタッカーだ。
国内組でもサプライズはあるか? 再び調子を取り戻してきた畠中槙之輔(横浜F・マリノス)の代表復帰は待望される。さらにボランチの招集状況によっては、攻撃センスも光る守備のポリバレント、同じく横浜FMの岩田智輝も面白そうだ。
しかしやはり、重要な最終予選のスタート……。手堅いメンバーでいくことになるか!?
東京五輪は4位に終わった。あの選手たちが死力を尽くした悔しい敗戦を経て、日本代表全体がもう一度うねりを上げて上昇していける。そんな選手たちと熱い戦いを期待したい。
注目記事:ポルト中島翔哉、ポルティモネンセ復帰へ「監督が退団を指示」
[文:サカノワ編集グループ]