名波監督がまずノートに書き記していた言葉とは?松本山雅、山口に追い付かれドロー。次節にも事実上J3降格決定
名波浩監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
来週は残留争う相模原戦。三浦コーチが今季途中まで率いていた“因縁の対決”がここで組まれることに。
[J2 40節] 松本 1-1 山口/2021年11月21日14:03/サンプロ アルウィン
J2リーグ40節、松本山雅FCがレノファ山口を相手に先制しながらも1-1に追い付かれ、最下位脱出のチャンスを逃した。J3現在2位のテゲバジャーロ宮崎は来季J2クラブライセンスが交付されなかったため、19位でもJ2に残留できる可能性はある(しかし1試合消化が少ない3位いわてグルージャ盛岡が、宮崎と1ポイント差)。次節、松本の降格が事実上決まる可能性もある。一方、山口はJ2残留へ近づく勝点1をアウェーで掴んだ。
粘り強く戦いながらホームチームが74分と理想的な時間、セルジーニョのゴールで先制! しかしそこから「2点目を狙いに行った」(名波浩監督)と言うが、ゲーゲンプレス気味なのか、カウンター狙いなのか、そのあたりがハッキリせず。そして86分、連続で訪れたコーナーキックのピンチで抗い切れず、最後は渡部博文に豪快に決められた。
先制しながらも勝てず……。1ポイントを奪ったことで残留への望みはつないだものの、ライバルのSC相模原が3ポイントを奪ったことで、状況は一段と厳しくなった。
名波監督は試合後の記者会見で、この試合で2トップ・2シャドーの形で臨んだ意図を次のように説明した。
「相手がコンサドーレや大分トリニータのように、ウイングバックが高い位置を取って前5枚、後ろ5枚でポゼッションするのを好んでやってくると思っていました。ウイングバックがロックされても、上下動するためにはどうしたらいいか考えて、自分の前に人が必ずいるのが良いと思い、攻撃的な守備ということを含め、2トップ・2シャドーのシステムで入りました」
試合途中からは山口はシステムを変更するなど明らかに困惑。さらに松本も対応して布陣を変え、その流れからセルジーニョのゴールが生まれた。
しかし……。さらに攻め立てたが逆に失点を喫し、1-1で引き分けた。
「ノートに最初に記したのは『複数得点』でした。2点取らなければ勝てないと思っていたので、その意味でも2点目を取るチャンスがありながら、それを逃したのがこの結果になってしまったと思います。
山口のセットプレーは最初合っていなくて、あの時間帯から徐々に合い始めて、失点シーンの前のバーに当たったところで嫌な空気がありました。あの辺をしのぎ切ってほしかったのは、一つ本音でした」
名波監督はそのように振り返った。
2点目を狙う――。その点では、前掛かる相手の背後を突きたいと考える選手もいれば、できるだけ高い位置からプレスをかけてなるべく敵陣で試合を進めようとする選手もいて、そのあたりで意思疎通を図れずにいた印象を受けた。
次節にも松本の20位以下が確定する。
「(18位と勝点)「4」(差)という意味では、ここで勝っていれば状況もモチベーションも全然違っていました。前節の負け方、今節の同点の追い付かれ方という意味では、ショックも大きく、責任を十分に感じています。
勝てるゲームが続いていくなかで、ちょっとした歯車で勝ったり負けたりするというサイクルに、今はありません。ただ本来の自分たちのゲームパフォーマンスの姿は見せられているのではないかと思います」
松本は次節28日、アウェーで残留圏18位に浮上したSC相模原と対戦する。得失点差を考えると、18位に入るには、あと4ポイントでは足りない。三浦文丈コーチが今季途中まで率いていた“因縁の相手”でもある。まさにクラブ一丸となり、勝利だけを追い求める大一番となる。
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[文:サカノワ編集グループ]